教えて!認知症予防〜脳神経外科医篠浦先生に聞く(9)

篠浦伸禎

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脳の名医篠浦先生のシリーズコラム第9弾。今回からはいわゆる「スーパーフード」について解説いただきます。

スーパーフードとは

スーパーフードの一般的な定義は、「栄養バランスに優れ、一般的な食品より栄養価が高い。またはある一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれる。 そして食歴が長く、何世紀にもわたって人々の健康に寄与してきている。それにより、人体に及ぼす可能性がある問題が解明されており、その安全性に不安をもって食することがなく信頼がおける食品」ということになっています。

前出のカカオなどもスーパーフードにはいっています。これからご紹介するスーパーフードの定義は、以上にプラスして、私が経験して体調がよくなることを感じる―例えば元気がでる、疲れがとれるーのと、周囲の人も同様の感想がある、ということも含めています。

さらに、私は医師をやっておりますが、健康に寄与するというのみならず、患者さんが訴える症状を改善する、もっといえば西洋医療との併用でいいのですが、治療成績の改善に役立つ可能性がある、というものがあれば、患者さんにスーパーフードとして、病気になって初期治療をするときから摂取をおすすめしております。さらにもうひとつ付け加えれば、細胞や動物実験、臨床レベルで有効性が確認されていれば、もっと確信をもって患者さんにおすすめすることができます。それに関して何種類かめぼしをつけていますので、今回から順次のべていきます。

ニンニク油

 
まず私が患者さんにお勧めするのが、ニンニク油です。ニンニク油は後述するようにニンニクから簡単に抽出できます。まず、ニンニク油のもとであるニンニクが、薬用として使われた歴史がいかに古いかに関してのべます。古ければ古いほど世界中の多くの人に使われ、信用がおける食品ということになります。

ニンニクと人間の関わりはとても長く、古代エジプトまでさかのぼると言われています。紀元前3750年頃に建造されたと言われる王家の墓からは、ニンニクの粘土模型が発見されています。また、エジプトのピラミッドには、「ピラミッド建築にあたり、その労働者に大量のニンニクやタマネギ、ラディッシュを与えた。そして、その購入のために高額の銀が支払われた」という内容が象形文字で書かれているのを、ギリシャの歴史家・ヘロドトスが発見しています。

その後ニンニクは、地中海経由でギリシャに伝わりました。そして、古代ローマ時代、ニンニクは遠征する兵士の「体力を維持する」「血のめぐりをよくする」「勇気を与える」野菜として欠かせない食材になっていきました。さらにニンニクはシルクロードを通り中国へと伝わりました。医食同源の考えを持つ中国では、ニンニクは他に類を見ない素晴らしい薬・食品として予防医学や治療に使われました。そして、ニンニクは朝鮮半島を経由して、日本に伝わったとされています。

ニンニク油とニンニクとの違い

ニンニク油とニンニクとの違いは、含まれている成分の違いです。生ニンニクの健康増進作用となる成分はアリシンで、ニンニク油のそれはアホエンです。

アリシンは、ニンニクを傷つけた時に防衛反応で出る匂いの元であり、抗菌効果やビタミンB1を吸収しやすくする作用などがあります。
ニンニク油に含まれるアホエンは、ニンニクを切ったりすり下ろしたものを、植物油やアルコールに漬けこむことで、はじめて生成されます。

アリシンは20度、20時間保持でほぼ分解されます。アリシンを有効に取り入れたい場合には、食べるたびに切ったりすり下ろしたりしなければなりません。
一方アホエンは、アリシンに比べると安定した成分で、ゼラチンを原料にソフトカプセル化したものを25度で一年間保管しても、アホエンの減少は20%にとどまります。

このように、アホエンを含むニンニク油は、保存性に優れていて、かつ取り扱いが容易です。そんなアホエンの生理機能には、血小板凝集抑制作用、肝障害に対する保護効果、抗菌作用、抗腫瘍作用があります。

では、次回に、家庭での作り方、脳に対する効果に関してのべます。