教えて!認知症予防〜脳神経外科医篠浦先生に聞く(10)

篠浦伸禎

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脳の名医篠浦先生のシリーズコラム第10弾。いわゆるスーパーフードの中で今回は「ニンニク油」について詳しく解説いただきます。

ニンニク油の作り方

まず、ニンニク油を作るのに必要な材料は、ニンニク3片とオリーブオイル150ccの2種類です。オリーブオイル以外にも、アルコール、ココナッツオイルもアホエンを引き出すのに適しています。しかし、扱いやすさ、手軽さ、価格などを比較してみた上で、私はオリーブオイルをお勧めしています。

オリーブオイルには、ごま、サフラワー、ひまわり、とうもろこし、マーガリンなどの植物性油と比べて、非常に多くのオレイン酸が含まれています。オレイン酸は安定性にすぐれ、酸化しにくいだけでなく、血液の中にある悪玉コレステロールを取り除く効果があります。このことによって、動脈硬化、心臓病、高血圧などの生活習慣病予防が期待できます。

またオリーブオイルにはビタミンA,K,E特にEが豊富に含まれています。ビタミンEは抗酸化作用があるため、体内脂質の酸化を防ぎ、老化と関連する疾病予防も期待できるのです。さらに、比較的安価でどこででも手に入りやすい食品ですので、ニンニク油の習慣を長く続けるには最適だと私は考えています。

では、ニンニク油を作る作業過程を簡単に説明しましょう。
1.ニンニクの皮をむく
2.ニンニクをきざむ、またはすりおろす(すりおろすほうがより好ましい)
3.オリーブオイルをあたためる(50度くらい)
4.オリーブオイルの中に②で作ったニンニクを入れる
5.しばらくそのままおいておく(3〜12時間)
6.ニンニクをこして出来上がり

ここで注意しなくてはいけないのが、アホエンには100度で壊れてしまう特性があることです。そのためニンニク油は味噌汁に入れたり、パンに塗ったり、サラダにかけたり、直接のむようにしてください。
ちなみに、私は直接おさじで4-8杯を朝飲んでいます。

ニンニク油の脳に対する効果

1 記憶力アップの可能性、認知症予防
人間の脳内では、多くの神経細胞がネットワークを作り、さまざまな神経伝達物質によって膨大な情報を伝え活動しています。その神経伝達物質の中でも、「アセチルコリン」は最も重要なもののひとつです。アルツハイマー病で亡くなった方の脳を調べたところ、このアセチルコリンが少なくなっていることが明らかになりました。

アセチルコリンは、アセチルコリンエステラーゼよって分解されることで、その機能が低下します。しかし、ニンニク油に含まれるアホエンはアセチルコリンエステラーゼの働きを阻害する効果があるのです。つまり、ニンニク油を摂取することで、脳の中で情報の伝達がスムースに行われるようになり、認知症予防効果があるのです。
さらに、脳の組織や細胞は毛細血管から酸素や糖を受け取り活動しています。ニンニクには、毛細血管の血流や微小な血液循環を良くする作用があるため、ニンニク油を摂取することで脳の神経活動が活発化し、記憶力アップにもつながる可能性があります。

2 脳卒中予防
 脳卒中は決して助からない病気ではありませんが、後遺症が出たり寝たきりになる人も少なくありません。「脳」という名がついているため、脳の病気と思われがちですが、実際は脳出血、くも膜下出血、脳梗塞など、脳の血管が破れたり詰まったりして、脳の神経細胞が障害される病気です。

脳卒中が起きる原因はいくつか考えられますが、その一つとして生体内に生成する過酸化物の悪影響があげられます。ニンニク油には過酸化物を抑制する力があるため、脳卒中の予防にも良いのです。

3 脳腫瘍に関する治療効果の増強
これは私の臨床経験になりますが、私は手術の前後に患者さんにニンニク油をおすすめしております。その効果の一つは感染予防であり、抗生剤と併用することにより抗菌作用が増強されます。ちなみに、私はこの治療法で一例も感染を経験しておりません。

また、上記のような脳機能の改善作用があるので、術後の症状の回復にいい効果を感じています。さらに、後述しますが他のスーパーフードを初期治療に併用することにより、今まで1年くらいで亡くなられた悪性脳腫瘍に治癒例が出てきております。これに関しては次回以降のべます。