物を作ることで心も活気づく:創作活動が心理面に与える影響

工樂真澄

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出典元:pixabay.com

皆さんはどんな趣味をお持ちでしょうか?スポーツ観戦や楽器演奏、旅行や読書など様々な趣味がありますが、手芸やお菓子作り、日曜大工や電子工作などが休日の楽しみという方も多いでしょう。今回は、創作活動が心に与える影響について調べた研究をご紹介します。

創作活動でポジティブな気分になる

ニュージーランドのオタゴ大学のConner博士らは2016年、日々の創作活動がメンタルに与える影響についての報告を行いました。

博士らの研究に協力したのは17歳から25歳までの若者658人です。彼らは、その日どれくらい創作活動を行ったか、またその日の気分はどうかを、2週間の調査期間中、毎日報告するよう指示されました。創作活動は手芸や工作だけでなく、絵画や作曲、小説を書いたりするなど、各人が自由に選ぶことができます。どの程度の時間を創作活動に費やしたかについて、全く行わなかった場合には0、たくさん行った場合には4として、5段階評価で報告してもらいました。

その日の気分については、ポジティブな気分では「楽しい」「心地よい」「穏やかだ」など9つに細分化した気分それぞれについて、5段階で報告してもらいました。ネガティブな気分についても同様に9つに細分化して、それぞれについて5段階評価してもらいました。さらに、「今日、とても充実した一日であった」といった、充実度についても評価してもらいました。

調査の結果、前日の創作活動を多く行えば行うほど、翌日に「活力がある(energetic)」「没頭しやすい(enthusiastic)」「興奮気味(excited)」と感じる度合いが強くなることがわかりました。さらに「穏やかな気分(calm)」「満足(content)」「リラックスしている(relaxed)」と感じる度合いとも相関していました。また、前日の創作活動時間が多いほど、翌日の充実度が上がることも分かりました。しかし、ネガティブな気分に関しては創作活動とは関係が見られませんでした。この結果より、創作活動をすることによって、翌日にポジティブな気分になりやすい傾向があることが示唆されました。この傾向は人種や性別、年齢、さらに創作が好きかどうかといった性格とは関係なく、表れることも分かりました。

ポジティブな気分を長続きさせるには

博士らは、ポジティブな気分が創作活動に打ち込む要因につながるかどうかについても調べましたが、気分と翌日からの創作活動時間とはあまり関係がないことがわかりました。この結果から、ポジティブな気分を継続させるためには、創作活動そのものを長続きさせるような環境をつくる必要がある、と論文では述べています。

自由な発想で作ってみよう

ポジティブな気分で毎日を過ごすことはストレスの軽減にもつながり、健康面にもプラスの影響を与えます。今までこれといった趣味がないという方も、新年を機に何か手仕事を始めてみると、充実した気分で毎日がおくれるかもしれません。ホームセンターや手芸店、画材屋さんやプラモデル屋さんなどに行くと、眠っていた創作気分がきっと目覚めることでしょう。普段立ち寄ったことがないという方も、この機会にふらっと覗いてみてはいかがでしょうか。

ご紹介した論文
Everyday creative activity as a path to flourishing
Conner TS et al. The Journal of Positive Psychology 17 Nov 2016, p1-9