脳科学的にみて、美人は得をする?

佐藤洋平

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出典元:pixabay.com

経済学者ダニエル・ハマーメッシュ著「美貌格差」によると、美人は生涯賃金において3600万円得をするそうです。脳科学的にみてなぜ美人が得をするかを示唆する論文をご紹介します。

なぜ美人は脳科学的に得なのか

美人が得というのは,古今東西様々なところで言われていることだと思うのですが、脳科学的に見て、なぜ美人というのは何かと得をすることが多いのでしょうか。

今回取り上げる論文は若い男性が美しい女性を評価しているとき、脳の中で何が起こっているのかについて詳しく調べたものです。

実験では若い異性愛者の男性に、美しい女性、まあまあの女性、美しい男性、まあまあの男性を見せて、美しさを評価させました。

実際の脳活動を図ってみたところ、男女問わず美しさはどれくらいかという審美的な評価とは別に、美しい女性を見ているときに欲望中枢の一つである側坐核の活動に変化が見られたことが示されています。

側坐核というのは脳の中のやる気スイッチ的なものであり、人を欲望達成に向かって走らせるような働きがあります。

単に美しいことと欲望がくすぐられることはどうやら少し違うようで、このような違いは心理学でいう評価上のLiking(好ましい、好きだ)とWanting(欲しい、手に入れたい)の違いなのではないかということが述べられています。

ヒトというのはなかなかややこしいなと思いました。

論文要旨

報酬と嫌悪的な刺激の処理に関わる脳の報酬回路は、行動の動機づけの中核になる要素として考えられている。

本研究では、美しい顔のそれぞれ異なるカテゴリが、異なる報酬値を有し、被験者の報酬回路を異なる形で活性化することを示す。

特に、異性愛者の若い男性は、美しい男性と女性の写真をともに魅力的なものとして評価するが, 機能的MRI画像では、美しい女性の顔の受動的な視聴が報酬回路、特に側坐核を活性化することを示している。

皮質と辺縁系まで拡張した報酬系も、評価ではなくキーを押した結果に従うように見え、報酬回路機能には美的評価が含まれていないことが示唆される。

http://www.sciencedirect.com/…/article/pii/S0896627301004913
Neuron. 2001 Nov 8;32(3):537-51.
Beautiful faces have variable reward value: fMRI and behavioral evidence.
Aharon I1, Etcoff N, Ariely D, Chabris CF, O’Connor E, Breiter HC.
コンテンツ提供:脳科学リハビリテーション