脳トレVSヨガ・瞑想、認知症予防にきくのはどちら?

nounow編集部

瞑想やヨガが認知症予防にいい(イメージ)
出典元:pixabay.com

脳トレとヨガや瞑想の認知機能に与える効果を比較した初めての実験を紹介します。さて、勝ったのはどっち?

ヨガや瞑想と脳トレの効果を比較した実験

UCLA (カリフォルニア大学ロサンゼルス校)による、ヨガや瞑想をクロスワードパズルや市販のコンピュータによる脳トレ(記憶力トレーニング)と比較した初めての研究が5月10日のJournal of Alzheimer’s Diseaseに掲載されました。

研究の参加者は、名前や顔、約束を忘れたり、物を置き忘れたりする問題がある55歳以上で、参加者は研究の最初と最後に記憶テストと脳スキャンを受けました。

参加者11人は、1週間に1時間の記憶力増強トレーニングを受け、研究に基づく記憶を改善させるエキササイズを1日20分行いました。

残りの14人の参加者は1週間に1度、ヨガのクラスを受け、自宅で毎日20分キルタン・クリヤ瞑想を行いました。(キルタン・クリヤ瞑想は高齢者の認知低下を予防するためにインドで何百年もの間行われてきているとのこと)

12週間後、研究チームは名前や単語を覚える言語記憶スキルが両グループの参加者に同様に改善したことを確認しました。しかし、ヨガと瞑想を行った参加者は、歩行や運転の際に場所を思い出したりナビゲートしたりするのに役立つ視空間記憶スキルがより改善しました。

またヨガ・瞑想グループは、鬱、不安、対処能力、ストレスへの耐久力を減らすという点でも良い結果が出ました。

UCLA精神科の招聘教授で本研究の上席著者であるHelen Lavretsky(ヘレン・ラブレストキー)曰く

「記憶力の向上という点においては記憶力トレーニングもヨガや瞑想と同等であったが、ヨガは気分、不安、対処能力にも役立つため、記憶トレーニングよりも幅広いメリットがある。記憶障害がおきると不安になり鬱になりかねない。」

とのことです。

ちなみにこの研究を報道するEurekAlert(AAASが運営する科学ニュースサイト)の記事タイトルは

「To reduce risk for Alzheimer’s, skip Lumosity and get onto the yoga mat」
つまり
「アルツハイマー病のリスクを減らしたければ、ルモシティ(脳トレ最大手)をやめてヨガマットに向かいなさい」

となっています。

脳トレは負けたのか?

参加者の数が少なく、この1つの研究結果を根拠に 脳トレよりもヨガや瞑想が認知症予防に効果的と断じるのは早計で、今後さらなる大規模かつ長期的な研究が期待されます。

また米国で急成長している脳トレ業界はマーケティングメッセージが過剰なケースがあり、とかく批判もされがちですが、Akili社のようにFDA承認をとるべく臨床試験を積み重ねている会社もあり(脳トレAkili社、FDA承認へ向けて試験の患者登録を開始!)、脳トレをひとくくりにすることに意味はありません。この実験でも利用するプログラム次第で別の結果がでる可能性もあると思われます。

また脳トレは認知機能の特定領域を鍛えるという目的に最適化されており、今回も「記憶力は両方とも改善した」わけで、ヨガや瞑想のような幅広い効果がみられなかったということで否定されるべきではないでしょう。

幅広い効果が期待できるヨガや瞑想

一方で、ストレスや鬱が認知症とつながっているとすれば、ストレスを緩和するヨガや瞑想は認知症予防効果があるといえます。

また以前nounowでとりあげたとおり 
マインドフルネス瞑想がアルツハイマー病に効く!?

瞑想が脳に与える効果〜若者に反応の速さで勝負するには?

マインドフルネス瞑想はストレス緩和に限らず幅広い認知機能の改善にも効果があるとするエビデンスが近年増えつつあります。

ヨガや瞑想、やせたり柔軟性を回復する効果以外に、脳にもよさそうです。

出典:To reduce risk for Alzheimer’s, skip Lumosity and get onto the yoga mat