メラトニンは良質な睡眠のために必要なだけではなく、認知症予防にも効果的だった!?

takahiro

メラトニンが眠気をさそう(イメージ)
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メラトニンは脳の中の松果体というところから分泌されるホルモンです。このメラトニン、夜間にドバッと放出され昼間は少しずつ出ます。つまり体内時計(サーカディアンリズム)に関係したホルモンで睡眠を誘導する作用があります。実はこのメラトニンにアルツハイマー病のアミロイドベータ沈着を防ぐ効果もあることが示されています。

メラトニンは安眠ホルモン

大脳深部の視床下部には、睡眠覚醒のリズムを作る、いわゆる体内時計の役割を担う部位があり、目からの光情報を受けています。

暗くなると体内時計からの指令が交感神経の経路を通って松果体に伝わり、メラトニンの産生・分泌が高まります。ですから、メラトニンは、明るい昼間にはあまり分泌されず、暗くなると多量に分泌されて、体温や、脈拍、血圧を下げて眠りを誘います。

メラトニンはいわば安眠ホルモンなのです。

メラトニン投与でアミロイドベータが減少

岡山大の松原 悦朗教授らが2003年に発表したデータでは、加齢で脳にアミロイドベータが沈着するマウスにメラトニンを投与すると、脳アミロイドベータ沈着が減少し、タンパクの酸化が低減し、寿命が延びることを示しました。メラトニンは、ビタミンE やβカロテンのような抗酸化物質でもあり、老化を引き起こす活性酸素の害を弱める働きがあります。

また、フランス国立保健医学研究機構が2007年に発表した論文では、メラトニンが海馬の神経細胞を新しく作る神経細胞新生を促進する効果があると報告されています。

アルツハイマー病とメラトニン

アルツハイマー病になると、メラトニン分泌の日内リズムが消失し、分泌が一日中減っています。アルツハイマー病早期から睡眠障害がみられるのはそのためです。ですから、メラトニンを補うことは有効である可能性があります。

アルツハイマー病の方が夜間元気だと介護に支障をきたすことから、朝日を浴びさせることで正常な昼夜リズムに戻そうという治療法があります。健康な方では朝強い光に当たって体内時計のずれを調節すれば、メラトニンが夜間分泌されるように戻せます。

しかし、アルツハイマー病の方では体内時計そのものの働きが悪くなっているので、朝に明るい光を浴びても体内時計を正常に戻せません。この治療法の効果は大きくは期待できないでしょう。

米国ではサプリメントとして販売されていますが、日本ではメラトニンは医薬品に含まれます。メラトニンはホルモンであり、副作用もあり今のところ過剰な摂取は勧められません。

昼夜逆転に注意

昼夜が逆転するような生活を送っているとメラトニンが分泌されにくくなり、自律神経や免疫機能も低下するといわれます。

人は古来から、日がのぼると起き日が落ちると眠りにつく生活をおくってきました。昼夜逆転することがないよう、睡眠をしっかりとるよう心がけ、メラトニンを夜にしっかり分泌させて正常に機能させることが認知症予防に有効なようです。

Melatonin increases survival and inhibits oxidative and amyloid pathology in a transgenic model of Alzheimer’s disease.

Hippocampal neurogenesis, depressive disorders, and antidepressant therapy.