腰痛と脳の意外な関係~瞑想が痛みを改善させるって本当?~

nounow編集部

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出典元:pixabay.com

多くの人が悩まされる腰痛。最近の研究で、腰痛と脳は密接に関わり、その治療法として瞑想と認知行動療法(CBT)が有効であることがわかってきました。今回は、その研究結果についてご紹介します。

わたしたちを悩ませる腰痛

日本では、厚生労働者の全国調査で腰痛に悩む人の数は2770万人いると発表されており、4人に1人は腰痛持ちということになります。

日本の職場において発生する病気やケガのうち、腰痛は年間600件近く発生しており、全体の60%を占めます。

アメリカにおける腰痛の発生率は、全人口の15~20%で45歳以下の就業不能原因の第一位であると言われるほど身近な疾患です。

痛みの長期化に関わる脳

治療しても効果がなく、一度治ってもぶり返すなど、慢性腰痛(3か月以上痛みが続く)に悩まされている人たちがいます。

最近の研究で、痛みの長期化に脳が大きく関わっていることがわかってきました。

カナダのマギル大学の研究によると、慢性腰痛がある人ととない人とでは背外側前頭前野(DLPFC)という脳の回路に大きな違いがあることがわかりました。

DLPFCは、痛みの回路に対して興奮を鎮めるよう指示し、痛みを抑える働きをします。

通常は、腰の回復と共に脳の神経回路も落ち着いてくるのですが、慢性腰痛の人は、痛みに対するストレスや恐怖心がDLPFCの働きを弱めてしまい、結果として痛みの回路が興奮したままになってしまいます。

そのため、腰に問題がなくなっても「痛い」という感覚が長引いてしまうのです。

腰痛の治療に効果的な瞑想と認知行動療法(CBT)

そんな中、これまで腰痛の治療として用いられてこなかった瞑想と認知行動療法(CBT)に痛みを緩和する効果があるという研究結果が発表されました。

米国医師会雑誌「JAMA」で発表された論文によると、過去数年間、腰痛に悩まされている342人の患者を対象に、瞑想プログラム、認知行動療法、あるいは今まで通りの処置を行った場合の3パターンの比較調査が行われました。

3パターンのプログラムを継続した結果、CDを使った瞑想やヨガを含む瞑想を行ったケースでは26週間以内に43.6%の人が、認知行動療法を行った患者のうち44.9%の人が痛みの改善を報告しました。

一方、特別なプログラムを受けなかった患者は、26.6%しか回復しませんでした。

この研究では、身体的なケアに特化した医学療法よりも、瞑想や認知行動療法を通じた処置を行う方が、より痛みの緩和に効果があるという結果になりました。

医学療法よりも瞑想が腰痛緩和に効果があると結論づけるには、より大規模なさらなる研究を待つ必要がありますが、ストレスを緩和し脳を休める瞑想の効果がまたひとつ明らになったといえます。

腰痛に悩まされている方は、様々な効果がある瞑想に取り組んでみるのもよいかもしれません。

<参考論文・参考サイト>
http://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/NIDD00.do?resrchNum=201217001A
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21593339
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=2504811