夜中に目が覚めるのは悪いことなのか?

nounow編集部

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出典元:pixabay.com

誰にもある夜中に目が覚めて眠れなくなった経験。再び眠れないことの焦りで目がさえてしまったこともあるかもしれません。多くの人は1日に6~8時間まとまった時間を眠るのが理想的と思うかもしれませんが、本当にそうなのでしょうか。今回は、その真相に迫る研究についてご紹介します。

目が覚めることへの困惑

厚生労働省が実施した2015年度国民健康・栄養調査において、睡眠の質の状況(20歳以上、男女別)に関する調査も行われました。

そして「夜間、睡眠途中に目が覚めて困ったことが週3回以上ありましたか」という質問に対して、「あった」 と回答した人の割合は、20~29歳の男性は12.3%、女性は17.7%のところ、70歳以上の男性は31.7% 女性は34.7%と、年齢が上がるほどに上昇する結果となりました。

年齢が上がれば上がるほど、夜間に目が覚めることに対する困惑が増えてきています。

分割型睡眠の研究

1990年代初頭、国立精神衛生研究所の精神科医トマス・ウェアは14名の被験者を集め、電灯が普及する前と同じ設定で、1日14時間暗闇の部屋で過ごすという実験を1か月行いました。

すると、被験者は4週目で変化を表し、4時間眠りについたところで、1~3時間ほど目を覚まし、再び4時間眠るという分割型睡眠パターンに落ち着いていったという結果が出ました。

また、1990年代後半、バージニア工科大学の歴史学者ロジャー・イーカーチは、夜中の人の行動が歴史とともにどのように変化したかを研究し、2001年には人の睡眠の歴史に関する研究論文を発表しました。

その中で、かつて多くの人が夜間に1回の長い睡眠をとるのではなく、4時間眠り、1~3時間ほど目を覚まし、再び4時間眠るという分割型睡眠パターンをとっていたことを明らかにしました。

そして、1回目と2回目の睡眠の間の時間に、静かに考える、本を読む、祈る、お喋りをする、隣の家を訪れるなどの活発な活動をごく当たり前にしていることも明らかにしました。

このような研究結果から、人は1日に6~8時間まとめて眠り続けるのではなく、1度起きてまた眠りにつくという習慣が、本来適している可能性があると言えます。

脳が分泌する「プロラクチン」の効用

また、1回目と2回目の睡眠の間には、脳が「プロラクチン」というホルモンを大量に分泌します。これには、乳汁の分泌促進や身体修復に加え、気分を明るくする作用もあり、日常の不安や緊張を緩和する効用があります。

現時点で分割睡眠を推奨する十分なエビデンスがあるわけではありませんが、夜中に目を覚ましても、日中ひどい眠気に頻繁に襲われるなど日常生活に支障がない限り、実は自然なことかもしれないと捉えて焦らない方が良いようです。

<参考論文・参考サイト>
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000106403.pdf
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10607034
http://www.bbc.com/news/magazine-16964783
http://www.history.vt.edu/Ekirch/
http://science.sciencemag.org/content/299/5603/117
http://magazine.utoronto.ca/feature/jessa-gamble-circadian-rhythm-chronobiology-seasonal-affective-disorder-polyphasic-sleep/