パニック障害におけるマインドフルネス瞑想の効果

佐藤洋平

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出典元:pixabay.com

最近、トレンドになりつつあるマインドフルネス瞑想。マインドフルネス瞑想には様々な効果があるとされ、エビデンスも蓄積されてきていますが今回はパニック障害や不安障害への効果に関する研究についてご紹介します。

マインドフルネス瞑想で不安感と抑うつ感が改善

数年前までは、瞑想というと随分いかがわしいイメージがあったのですが、ここ2,3年瞑想は随分メジャーになってきました。

瞑想というのはその怪しげなイメージと裏腹に脳機能に与える影響については随分なエビデンスが蓄積されており、リハの現場で見かける様々な手技よりも信頼性がよほど高いと思うのですが、はたしてこの瞑想というのはパニック障害にはどの程度有効なのでしょうか。

今回取り上げる論文はマインドフルネス瞑想がパニック障害や不安障害にどれほど治療効果があるかについて調べたものです。

この研究ではパニック障害や全般性不安障害の患者を、マインドフルネス瞑想介入と不安障害教育の2群に振り分け8週間の治療経過を様々な評価スケールを使用して調べています。

結論を述べるとマインドフルネス瞑想を行うことで不安感と抑うつ感の減弱が図られること、しかしながら対人感受性や妄想という点では、二つの介入に大きな違いが見られないことが示されています。

瞑想というのはやってみると結構頭に負担がかかるなと思い、これは広義の脳トレかなと思うこともあるのですが、様々な効果があるなと思いました。

論文要旨

背景:
マインドフルネスに基づく認知療法(MBCT)は、再発を予防するためにうつ病性障害を有する患者を治療するために広く使用されてきた。この研究の目的は、パニック障害または全般性不安障害患者の治療における、薬物療法のアジュバントとして新たに開発されたMBCTプログラムの有効性を検討することであった。

方法:
パニック障害または全般性不安障害の患者46名を、MBCTまたは不安障害教育(ADE)プログラムのいずれかに8週間割り当てた。 (HAM-A)、ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)、ベック不安目録(BAI)、ベックうつ病目録(BDI)、および症状チェックリスト90改訂版(SCL-90-R)は、 開始時および2つのプログラムが2,4および8週間実行された後の患者を評価するために使用した。

結果:
MBCT群は、全不安(HAM-A、p <0.01; BAI、p <0.01; SCL-90-Rの不安性サブスケール、p = 0.01)およびうつ病(HAM-D、 P <0.01; BDI、p <0.01; SCL-90-Rのうつ病サブスケール、p <0.01)、 SCL-90-Rの強迫性および恐怖性下位尺度も、MBCT群において有意に改善を示した。しかし、SCL-90-Rの体格、対人感受性、妄想的思考、または精神病性サブスケールスコアの点で、MBCT群とADE群との間に有意な改善は観察されなかった。 結論: MBCTは、パニック障害または全般性不安障害の患者の不安および抑うつ症状を緩和するのに有効であり得る。しかし、うまく設計されたランダム化比較試験が必要である。 Depress Anxiety. 2009;26(7):601-6. doi: 10.1002/da.20552. Effectiveness of mindfulness-based cognitive therapy as an adjuvant to pharmacotherapy in patients with panic disorder or generalized anxiety disorder. Kim YW1, Lee SH, Choi TK, Suh SY, Kim B, Kim CM, Cho SJ, Kim MJ, Yook K, Ryu M, Song SK, Yook KH. コンテンツ提供:脳科学リハビリテーション