遠隔カウンセリングに効果はあるか?

佐藤洋平

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ビデオ通話による心理カウンセリングが、対面によるものと比較しても十分効果があるとする研究をご紹介します。

ビデオ通話でのカウンセリングの効果

Skypeを始めとする通信技術の発達は様々なビジネスを生み出しました。

従来対面が必要とされてきたビジネスとして英会話やコンサルティングといったものがあり、これらは徐々に動画通信を介したものに取って代わられつつありますが、果たして心理カウンセリングでは動画通信を介したものでも効果があるものなのでしょうか。

今回取り上げる論文は、認知行動療法と呼ばれるカウンセリングの手法が実際の対面によるものと、ビデオ通話を介したもので違いがあるかどうかについて調べたものです。

この研究では気分障害もしくは不安障害を有する平均年齢30歳の26名の患者を対象にランダムにonlineとface to faceに割り当てて、認知行動療法を12セッション行い、実施前・終了時・終了後6週で、不安感、抑うつ感、ストレス、QOLについて評価を行ったのですが、結果はonlineでも十分な効果があることが示されています。

この研究はオーストラリアで行われており、当地では僻地ほど様々なアクシデントが起こりやすく経済状態も不良で精神疾患が起こりやすいのに十分なカウンセリングを提供する場所がないことが研究の背景にあることが述べられており、広い国土というのも大変だなあと思いました。

論文要旨

・背景
認知行動療法(CBT)は、気分および不安障害を治療するための有効性および有効性を実証している。ビデオ通話による認知行動療法の普及は、治療へのアクセスを改善するのに役立つかもしれない。

・目的
本研究は、ビデオ通話を介して投与された認知行動療法の有効性を、通常の対人療法と比較することを目的とした。

・方法
最初の精神障害診断・統計マニュアル、気分障害または不安障害の第4版テキストリビジョン(DSM-IV-TR)診断​​を受けた26人の主に白人患者(平均年齢30歳、SD 11)を無作為に割り当てた。

直接またはビデオ通話を介して認知行動療法の12セッションを行った。

すべてのセッションは同じセラピストによって提供され、参加者は大学の診療所で募集された。

うつ症状、不安感、ストレス、および生活の質の症状を、治療後の前後、および6週間後のアンケートを用いて評価した。

・結果
治療効果の保持は治療条件を問わず同様であった。

多段階混合効果線形回帰を用いた統計分析は、治療の前後で症状の改善が認められ、うつ病の症状(P <.001、d = 1.41)、不安(P <.001、d = 1.14)、ストレス(P <.001 、d = 1.81)、および生活の質(P <.001、d = 1.17)であり、両条件の間で治療効果に有意差は見られなかった(うつ病の症状(P = .165、d = 0.37)、不安(P = .41、d = 0.22)、ストレス(P = 0.15、d = 0.38) (P = 0.62、d = 0.13)、作業同盟(P = .53、片側、d = -0.26)、セラピスト格付け(P = .60、片側、d = 0.23)、満足度のクライアント評価(P = .77、片側、d = -0.12))。 ・結論 このコントロールされた試験の結果は、認知行動療法がうつ病、不安、ストレスの症状を有意に軽減し、人とビデオ会議条件の両方で生活の質を向上させるのに効果的であることを示した。 Logo of jmir J Med Internet Res. 2013 Nov; 15(11): e258. Published online 2013 Nov 19. doi: 10.2196/jmir.2564 PMCID: PMC3842436 Comparing In-Person to Videoconference-Based Cognitive Behavioral Therapy for Mood and Anxiety Disorders: Randomized Controlled Trial Monitoring Editor: Gunther Eysenbach Reviewed by Peter Yellowlees, Robin Kok, and Elisabeth Borgmann Daniel R Stubbings, PhD,1 Clare S Rees, PhD,corresponding author1 Lynne D Roberts, PhD,1 and Robert T Kane, PhD1 1School of Psychology and Speech Pathology, Faculty of Health Sciences, Curtin University of Technology, Perth, Australia Clare S Rees, School of Psychology and Speech Pathology, Faculty of Health Sciences, Curtin University of Technology, Kent Street, Bentley, Perth, , Australia, Phone: 61 8 9266 3442, Fax: 61 8 9266 3442, Email: ua.ude.nitruc@seeR.C. コンテンツ提供:脳科学リハビリテーション