睡眠時間が短くなると、認知機能が低下する

nounow編集部

睡眠不足は認知機能の低下をまねく(イメージ)

世界でトップクラスの睡眠不足大国日本。日本以上に急激な高齢社会を迎えたシンガポールの研究で、睡眠時間が短いことは認知機能低下をまねくことが示されています。

睡眠時間の短さは世界トップクラスの日本(OECDのデータより)

日本人の睡眠時間が短いことは世界的にも知られています。OECDが1日あたりの生活行動の平均時間のデータを国ごとに示した15~64歳の成人男女のデータがあります。1日あたりの平均睡眠時間が最も長いのは、ニュージーランド(526分)です。以下、米国(516分)とスペイン(516分)、の順となります。睡眠時間が最も短いのは韓国(461分)、次いで日本(463分)となりますが、韓国とは2分しか違わないためほぼ世界トップレベルの睡眠時間の短さということになるでしょう。ちなみにOECD26か国の平均は499分です。

短い睡眠時間は、認知機能低下を招く

急激なスピードで高齢社会を迎えたシンガポール
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シンガポールのDuke-NUS医科大学のジューン・ロウ教授は、睡眠時間がどう認知機能へ影響を与えるかを調査しました。
じつはシンガポールは日本以上に急速に高齢社会を迎え、その急激な社会変化が大きな課題となっています。「高齢化社会」(=65歳以上が総人口に占める割合が7%)から、「高齢社会」(同14%)へ移行するのに、日本は1970年から24年かかっていますが、2000年に高齢化社会入りしたシンガポールは、2016年に高齢社会となるのです。(出典:「シンガポールにおける高齢者福祉と施設介護」)日本の3分の2の期間で高齢社会へ移行するのですから、確かに深刻な状況です。

結論としては、高齢者の睡眠時間が少ないほど、脳年齢は一層進むという研究結果を2014年に報告しています。

この調査はシンガポールにおける脳老化に関する縦断研究の対象者から66人の中国人高齢者のデータを抽出したものです。被験者には2005年から2年ごとに、脳体積を測るMRIの脳スキャンと認知評価テスト、睡眠についてのアンケートなどを行いました。認知評価テストは認知処理能力や、実行機能、注意力、言語記憶、スピード、および空間メモリを性能評価したものです。

<調査結果>

  • ベースラインより睡眠時間が1時間短いと、脳内にできる空間(隙間)が1年ごとに0.59%拡大し、脳が萎縮
  • ベースラインより睡眠時間が1時間短いと、認知機能が1年ごとに0.67%低下

睡眠時間が短いことで、脳が委縮し認知機能が低下することが証明されています。中年期から充分な睡眠を確保しておかないと脳内の隙間が広がり、じわじわと脳が委縮していくことになります。

認知症を予防するためにも、睡眠時間の確保を。睡眠不足大国返上は国家課題とさえいえるかもしれません。

(出典)http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4098802/

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