教えて!認知症予防〜脳神経外科医篠浦先生に聞く(8)

篠浦伸禎

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脳の名医篠浦先生のシリーズコラム第8弾。前回は、日本食の中で海のものを中心に解説していただきましたが、今回は脳に良い食品のうち、陸でとれるもの及び日本のみならず外国産のものも含めて解説頂きます。

しいたけが脳に良い

まず、日本は山が多いので、そこでとれるきのこ類の中で我々が一般的によく食べているしいたけについてのべます。しいたけは、さまざまな脳に良い成分を含んでおり、きのこ類の代表選手といっても過言ではありません。

脳に良い様々な成分とその効果をのべます。エリタデニンという成分がしいたけには含まれています。エリタデニンは血中のコレステロール量を低下させ血液をさらさらにし、動脈硬化の予防効果があるため、脳に関しても老化を予防します。

しいたけの旨み成分であるグルタミン酸には、代謝を促し、脳を活性化して老化を防ぐはたらきがあるといわれています。

しいたけには、ビタミンDが豊富に含まれています。ビタミンDは脳神経の発育にも欠かせない物質です。また、ビタミンDが不足するとイライラの原因になったりやる気がなくなったりすることもあり、精神の安定にも効果的です。

βグルカンは、しいたけなどのキノコ類に含まれる多糖体ですが、免疫力を高めてがん細胞をたたくのみならず、コレステロール値を下げ、腸内環境を整え、脳に良い作用を及ぼします。

レンチシンというしいたけの成分は、血液中の過剰な中性脂肪やコレステロールを体外へ排出し、やはり動脈硬化を予防します。

しいたけの茶色は、メラニン色素からきています。メラニン色素は脳へ働きかけ、自律神経を安定させる働きがあるため、気持ちが安らぎます。

最後に、しいたけには水に溶けにくい不溶性食物繊維が多く含まれ、すでにのべたように、腸内環境を整えて脳に良い効果をおよぼします。

このように、しいたけにはさまざまな脳に良い有効成分が含まれており、中国では昔から薬として重宝されていました。

ナッツ類が認知症予防に効く

次に、おもに日本以外の陸でとれる脳に良いと報告されている食品をのべます。まず、ナッツ類です。ナッツ類には、抗酸化物質が豊富に含まれており、認知症予防の効果があるといわています。

そのナッツ類の中で、クルミとアーモンドについてのべます。

クルミには、アルツハイマーの原因と言われているアミロイドβタンパクが集まるのを阻止したり、分解する働きのあることが報告されています。また、αーリノレン酸と呼ばれる植物由来のものを含んでおり、神経細胞をつなぐ部分にも必要です。さらに、エネルギー産生を助けるビタミンB1も含んでいるので、脳においても糖をエネルギーに変えて活性化してくれます。

アーモンドは、やはり脳内に蓄積したアミロイドβタンパクの量を減らす効果があるとされています。ところで、アーモンドの薄皮に抗酸化物質が含まれていますので、薄皮も食べるほうがいいといわれています。

チョコレートに含まれているカカオも、抗酸化物質であるカカオポリフェノールがあり、これが脳細胞を酸化させ損傷を与えようとする活性酸素を抑え、認知症の予防になります。ただし、カカオ70%以上のチョコレートが、特に認知症予防のために効果的な食べ物になります。

果物の認知機能改善効果

最後に、果物に関してのべます。果物のうちで脳に良いと報告されているのが、コンコードブドウとベリー系です。コンコードブドウジュースには、赤ワインと同じポリフェノールが含まれており、認知能力が上がると報告されています。

また、ベリー系全般が記憶等の改善に効果的ですが、特にブルーベリーを食べると、アントシアニジン、プロアントシアニジン、タンニンなどの抗酸化、抗炎症作用を持つポリフェノールも取り込むことができます。これらは血液脳関門を越えて脳内の届き、神経細胞の酸化や炎症を防いでくれ、脳機能を改善します。

次回からは、私が臨床的に使って手ごたえのあるスーパーフードについてのべます。