高齢者の定義〜何歳からが高齢者?

nounow編集部

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出典元:pixabay.com

人生100年時代が到来し、多くの人が100才以上生きるようになるなら 65歳からが高齢者で、「高齢者=一律に支えられるべき人」という考え方を前提とする社会は維持不可能です。年末年始に「65歳から高齢者」という定義を変更すべきとする提言が相次いで発表されました。

日本老年学会の提言

高齢者を75歳以上に=65歳は「准」、定義変更提言-老年学会(出典:jiji.com 2017/1/5)

日本老年学会は、医療の進化などにより健康的に生きる期間がのびていることから、現在65歳以上とされている「高齢者」の定義を75歳以上に引き上げるべきだとする提言をまとめ、都内で発表しました。

また提言では、現在「高齢者」とされている65歳から74歳までの人たちについては新たに「准高齢者」と位置づけ、仕事を続けたり、ボランティアに参加するなどの活動を促進し、活力のある高齢社会をつくっていく必要性を強調しています。

会見では「年金支給引き上げに使われるのでは?」との質問も出たようですが、「提言はあくまで医学の立場からのものであり財政的な問題とは無関係。福祉がネガティブな方向に動いて欲しくない」とのことです。(週刊新潮 2017年1月9日号)

内閣府の提言は

昨年末には 高齢者=70歳以上にという内閣府の提言もありました。

高齢者「70歳以上に」 内閣府、定義引き上げ提言(出典:日本経済新聞 2016/12/20)

ちなみに厚生労働省の資料(健康日本21など)によると壮年期31〜44歳、中年期45〜64歳、高年期65歳 〜となっています。

高齢者の定義が75歳になるのであれば、中年期が45歳〜74歳と定義される日がくるかもしれません。

ただし「何歳からが高齢者」という定義の変更には一定の意味はあるものの、変えるべきは「高齢者は一律に支えられるべき人であり、働くなど社会参加することはイレギュラー」という意識の方ではないでしょうか。

リンダ・グラットン教授著「LIFE SHIFT」

昨年後半話題になったリンダ・グラットン教授著「LIFE SHIFT」。

この200年、平均寿命は10年に約2年ずつ伸びており、ある統計手法によると2007年に日本で生まれた子供の50%は107歳まで生きる。

これまでは「教育を受け、仕事をし、引退する」という3ステージで、ステージと年齢が一致(教育を受けるのは20代前半まで、仕事は60代まで)し、世代が分断されていた。
これからはマルチステージ(例えば40歳でサバティカル期間を設ける、60歳で大学に通い卒業後新たな仕事に就くなど)でステージと年齢が分離し、世代が融合する時代へと変わっていく。(出典:リンダ・グラットン著「LIFE SHIFT」)

 

人生100年時代には「教育を受けて、仕事して、引退する」という3ステージのライフプランが崩れ、連続的に学び直しては新しい仕事にチャレンジする生き方が当たり前になっていくでしょう。

そして働こうとする人が損をしない社会制度も必要になってくるでしょう。

 したがって、「働くことができる制度」も重要だが、「働くことが損にならない制度」をつくることは、もっと重要なのである。
とりわけ、社会保障制度には、高齢者になって働くことに対して重い税を掛けているのと同じ結果をもたらしているものが多いのである。それが、高齢者の就業意欲を低下させている可能性が高い。こうした要因を取り除くことが必要だ。

「高齢者は働かないほうがトク」という制度は見直すべきだ 野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問](出典:Diamond online)

「生涯現役」という意識をもち常に新しいことにチャレンジし続ける人を増やし、それを後押する社会制度を整えていくことが、歴史上最速で進む高齢化の唯一の処方箋なのかもしれません。