家族が認知症になることへの備え

nounow編集部

準備と心得(イメージ)
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家族が認知症になった時への備えは何か考えていますか?個人賠償責任保険や、業界初の認知症治療の支援をする保険販売がスタートするなど、備えとしての保険も活用しやすくなってきました。

家族が認知症になったらどうしますか?

認知症の症状がすすむと、徘徊がはじまることがあります。今年3月1日に最高裁で判決が出たJR東海の鉄道事故の件はまだ記憶に新しいのではないでしょうか。責任能力がない認知症男性(当時91)が徘徊中に電車にはねられ死亡したその事故では、家族が鉄道会社への賠償責任を負うかが争われました。最高裁は男性の妻に賠償を命じた2審名古屋高裁判決を破棄し、JR東海側の逆転敗訴を言い渡し判決が確定しました。

この判決は今後認知症患者を抱える家族には一定の安堵をもたらしましたが、このケース、妻は当時85歳で要介護1の認定を受けており、また同じく賠償請求された長男は関東在住で20年近く別居であったことなどから最終的に監督責任を問われませんでした。つまり同様の事故があった際、その状況により家族に賠償命令がくだされることもありえるのです。

ちなみに、1審では妻と息子に賠償を命じる判決がくだり、その判決を聴いて認知症の親をあわてて施設に入れた人がいるということも耳にします。家族の悩みは尽きません。

厚生労働省によると(参照:厚生労働省「行方不明になった認知症高齢者等に関する実態調査結果及び取組について」)、認知症患者の行方不明者は年間1万人にのぼります。その行方不明者の約98%については、1週間以内に所在が確認されており、自宅等に戻っているものの、平成24年は359人、平成25年は実に388人が死亡状態で発見されているのです。これは行方不明者の約4%であり、様々な事故を引き起こしているのも事実です。

個人賠償任意保険でカバーすることも

仮に同様の事故が起こったとしても、個人賠償保険に入っていればその賠償に充てることは可能です。

<個人賠償責任保険とは?>

個人賠償責任保険は、個人の「住宅の管理」または「日常生活」に起因して、国内外で発生した「法律上の損害賠償責任」を負担することによって被る損害を補償する保険です。

  • 単独で契約することもできますが、火災保険や傷害保険、自動車保険などの特約として契約する場合が多くなっています。
  • 個人賠償責任保険の被保険者は「生計を共にする同居の親族」となっています。したがって、世帯主が契約すれば子供が起こした事故も補償されます。

(引用)日本損害保険協会が提供するお役立ち情報統合サイト 損害保険Q&A 

ここで気を付けないといけないのは、その賠償の対象者は生計を共にする同居の親族であるため、前述した事故のように別居であったり同居でも家計が別であれば対象外になるということです。しかし、昨年あたりから本人とは別居・別生計の親族および後見人も被保険者とする保険も増えており、契約内容をよく見ておくことが大切といえます。

業界初の「認知症保険」の誕生

また、賠償の話とは違いますが、とうとう生命保険業界初の認知症に特化した保険商品を太陽生命が販売開始しました。

この新商品は、認知症と診断され、当社所定の状態が 180 日継続した場合に給付金をお支払いするものです。選択緩和型商品のラインアップに追加しておりますので、健康に不安のある方でも簡単な告知で加入いただけます。さらに、認知症に関する保障の他、女性疾病・7大疾病等を原因とする入院・手術さらには、骨折の治療に備えることもできます。
(引用)太陽生命プレスリリース(2016年2月2日)

認知症の治療を支援するというこの保険、認知症になっても給付の手続きに不安をもたれることがないよう「お支払手続き訪問サービス」を実施するとのこと。業界初のこの保険商品、注目されます。今後の生命保険業界他社の動向も気になるところですね。