中年期の体重はどこまでOK?~BMIと認知機能の関係

nounow編集部

中年の体重(イメージ)
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中年期の運動習慣が認知機能維持に重要といわれますが、では体重はどの程度を維持すべきなのでしょうか?少し太めぐらいが長生きするという説もあるようですが、認知機能維持のラインは意外なほど厳しいようです。

40歳時の運動習慣が60歳時の脳を助ける

以前nounowでふれたとおり (40代の運動が、認知症発症を遅らせる

40代の運動不足は、60歳になるまでに脳の老化を加速させている可能性がある

中年期に体力を向上させることが加齢に伴う認知機能の低下を遅延させる働きをすることができる

ことがボストン大学の20年にわたる研究で明らかにされています。

では運動習慣や適切な食生活によって目指すべき体重はどの程度までがOK、どこからがNGなのでしょうか?

中年期の過体重が高齢になってから認知症発症に与える影響

今回取り上げる論文は中年期のスリム体型(BMI=21)とやや太い体型(BMI=25)で歳をとった時に認知機能に差がでるかどうかについて数十年追跡調査を行って調べたものです。

結論は、極度の肥満体型でなく、BMIが25程度(身長160で64キロ、身長170で72キロ)でも、歳をとった時の認知機能がスリム体型に比べてかなり落ちるということでした。

以前、標準体重より2〜3キロ程度重い軽度肥満(BMI30〜35)の方が長生きするという研究が話題になりましたが(少し太めのほうが健康?米疾病対策センター研究
今回の論文の結論を見る限り、将来の認知機能低下リスクを軽減するには少なくともBMIの適正範囲といわれる18.5〜24.9を維持し、できれば標準値の22前後を目指すべきといえそうです。

やはり中年期の運動習慣や食事の管理が重要ですね。

【論文要旨】

背景)中年期の過体重が人生後期の認知症の発症に影響を与えることが報告されているが、過体重と認知機能の低下の関係については明らかにされていない。本研究ではBMIと人生後期の認知機能の関係についての経時的変化について調査を行った。

方法)対象はスウェーデン養子/双子加齢研究のサンプルの中から抽出された。1963年もしくは1973年(平均年齢41.6歳)に行った身長、体重、疾患、ライフスタイルに関するデータをベースラインとし、1986年より3年毎に行った神経心理学的検査も行い、研究期間に生存した50歳以上の781名を対象に調査した。総合的認知機能は認知機能評価バッテリーを用いて行った。

結果)潜在曲線モデルを用いた場合、中年期の高いBMIは人生後期の低い認知機能と急速な認知機能の低下に関係していることが示された。調査期間中に認知症を発症していた場合、これを除外した。

結論)中年期の高いBMIは男女ともに人生後期の認知機能の低下と関連することが示された。これは認知症発症のリスクを高めると考える。

出典:http://biomedgerontology.oxfordjournals.org/…/65A/1/57.short
J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2010 Jan; 65A(1): 57–62.
Published online 2009 Apr 6. doi: 10.1093/gerona/glp035
PMCID: PMC2796876
Being Overweight in Midlife Is Associated With Lower Cognitive Ability and Steeper Cognitive Decline in Late Life
Anna Dahl,corresponding author1 Linda B. Hassing,2 Eleonor Fransson,1 Stig Berg,1 Margaret Gatz,3,4 Chandra A. Reynolds,5 and Nancy L. Pedersen3,4

出典:脳科学リハビリテーション