軽度行動障害(MBI)が認知症の最初の兆候!?

nounow編集部

行動障害(イメージ)
出典元:pixabay.com

Alzheimer’s Association International Conference (AAIC) 2016ではいくつかの研究発表が注目を浴びました。軽度認知障害(MCI)ならぬ軽度行動障害(MBI)が認知症の先行指標となるという発表を紹介します

軽度行動障害チェックリスト

先月カナダトロントで開催されたAlzheimer’s Association International Conference (AAIC) 2016で、「軽度の行動障害(MBI:mild behavioral impairment)が軽度認知障害(MCI)または認知症の最初の徴候である可能性がある」という研究が発表されました。

MBIは、老齢期に発症し少なくとも6ヶ月間持続している精神神経症状(NPS)の症候群として定義されており、これら症状のある高齢者はない高齢者と比較してMCIを発症する可能性が高いとするエビデンスがあるそうです。

MBIのチェックリスト(MBI-C)は5つのドメイン、関心や意欲(apathy/drive/motivation)、気分や不安(mood/affect/anxiety)、衝動制御(impulse control/agitation/reward)、社会適合(social appropriateness)、思考(thoughts/perception)にフォーカスしています。
(MBI-C http://www.nytimes.com/interactive/2016/07/25/health/26brain-doc.html)

MBI-Cは、アルツハイマー病研究・治療法を前進さ​​せるためにアルツハイマー病国際協会の後援でNPSプロフェッショナルインタレストエリア(PIA)に参加する専門家グループによって開発されました。

パラダイムシフト?

Alzheimer’s AssociationのChief Science Officerである Maria C. Carrillo博士曰く

この提案された新しいチェックリストは、記憶のみにあてていた焦点を行動をも包含することで、疾患の新しい臨床病期を特定するのに役立ちますし、正式な神経変性試験のパラダイムシフトとなる可能性を秘めています。医師がより早く、より効率的に正確な診断に達する可能性があります

また博士は Medscape Medical Newsに

アルツハイマー病や認知症は単なる記憶障害ではないかもしれません。我々はそれらの病気を記憶の問題として考えることを止める必要があります

アルツハイマー病や認知症に関連付けられた行動障害があります。それは、うつ病や不安や見当識障害や攻撃で始まります。臨床医は認知症の潜在的な前触れなどの行動症状を考える必要があるのです

と語りました。

早期発見とともに認知症理解促進につながることに期待

正直、もともと認知症の兆候や前触れとしてよく知られる行動と今回提案されたMBIとがそう大きく変わるものでもないように感じましたが、MBIの研究がさらに進みより早期にMCIや認知症の兆候を把握して対策がうてるようになるといいですね。

また認知症=記憶障害というイメージがまだまだ強いのが現状ですが、抑うつや不安、攻撃性が高まるなどの行動障害とも関連するということがこのMBIという概念とともに広がり、この疾患の理解が進むことにも期待したいと思います。

出典:https://www.alz.org/aaic/releases_2016/sun_445_ET.asp
http://www.medscape.com/welcome/news