神戸で世界最大規模の認知症研究がスタート

nounow編集部

神戸(イメージ)
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神戸において世界最大規模の認知症研究がスタートするとの発表がありました。6月に発表された国立精神・神経医療研究センターの取組も含め、大規模な研究が続々始まっています。21世紀の脅威認知症と人類の戦いは続きます。

「神戸モデル」構築を目指す

WHO神戸センターと神戸大学は、認知症の早期発見・早期介入をめざす統合的な「神戸モデル」構築に向けて、3年間の共同研究をスタートさせると発表しました。

WHO神戸センターと神戸大学が中心となる共同研究チームが、神戸市の協力のもと、70歳以上の神戸市民5万人を対象としてスクリーニングを行い、リスクが高い予備軍には医療機関への受診や脳トレ教室などへの参加を促すとのことです。

早期介入による予防効果や介護負担軽減など効果が確認できれば、神戸発の認知症対策プログラムとして世界に広めたいとの考えのようです。

WHO神戸センターのアレックス・ロス所長は
「この研究の目的は認知症の患者さんとそのご家族の社会的負担を削減するためのシステム構築です。さらに、地元のみならず世界の認知症対策へエビデンスを提供し、今後のコミュニティベース・ケアへの布石となることを期待します」
と述べ、

本研究の代表者である神戸大学医学部附属病院臨床研究推進センター 永井洋士特命教授は
「神戸地域では、これまでも認知症や高齢者対策に関する先進的な研究・事業が多く実施されてきました。本研究を通じて、未だ抜本的な治療法のない認知症の進行を遅らせ、また、認知症になってもできるだけ自立した生活を続けられる社会が実現することを期待しています」
と語っています。
WHO神戸センターと神戸大学、認知症の早期発見・早期介入をめざす 「神戸モデル」構築に向けた共同研究を開始

尚、WHO神戸センターが9月10日に開催するG7神戸保健大臣会合公式サイドイベント「UHC、イノベーション、高齢化:持続可能なユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)実現に向けた革新的なイノベーションを創出する研究とは」で本研究概要が発表されるとのことです。

国立精神・神経医療研究センターは健常者対象の登録を開始

神戸の動きに先んじて、今年6月に国立精神・神経医療研究センターは認知症予防のためのインターネット登録システム「アイループ(IROOP)」を開発したと発表しました。
国立精神・神経医療研究センターが認知症予防のための日本で初めての 健常者対象の新オレンジプラン統合レジストリ;『IROOP™』の運用を開始

40歳以上の健康な人を対象に登録を受け付け、登録者の認知機能に関するデータを蓄積し、認知症発症前の状態をとらえ、発症を予防する因子の解明を進め、創薬につなげるとしています。

登録者は半年ごとに食事や睡眠など生活習慣に関するアンケートに答えるほか、認知機能検査「あたまの健康チェック」を電話で受けるとのことです。

登録者は健康チェックの結果を検査の翌日から閲覧でき、グラフで経年変化も確認でき、認知機能に関する最新の研究や健康増進に関する情報を得たり、希望すれば治験などの案内も受けることができます。

予防を目的とした数万人規模の登録システムは国内初とのことです。

オールジャパンで取り組むべき認知症予防

世界的脅威である認知症。

WHOの『World Alzheimer Report 2015』において、現在4,600万人である世界の認知症患者数が、2050年には1億3,150万人にまで膨れ上がること、ならびに2015年における認知症治療費の世界総額の見積もりは約8,180億米ドルであるが、2018年には1兆米ドルに、2030年には2兆米ドルに達すると予想されています。

そして研究者による研究課題の優先順位付けで最も高かったのが「認知症予防」でした。
“WHOの分析レポートより「認知症研究は予防が最重要」”

日本の認知症患者数は462万人、軽度認知障害(MCI)を含めると800万人以上が認知機能の障害を抱えていると試算されています。また、その数は高齢化の進行に伴い、今後さらに増加すると見込まれています。そして国内でも近年やはり予防が重要と認識されてきています。

神戸モデル、IROOPなどの動きは非常に期待がもてます。官民あげてオールジャパンで認知症予防プログラムを完成させ、発症率を下げて超高齢化を乗り切り、続いて高齢化する諸外国にも導入していただいて喜ばれるようになりたいですね。

(出典:WHO神戸センターと神戸大学、認知症の早期発見・早期介入をめざす 「神戸モデル」構築に向けた共同研究を開始

  :国立精神・神経医療研究センターが認知症予防のための日本で初めての 健常者対象の新オレンジプラン統合レジストリ;『IROOP™』の運用を開始