NHK ガッテン!「これが世界最先端!”認知症”予防SP」より

nounow編集部

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出典元:pixabay.com

NHKガッテン!で「これが世界最先端!”認知症”予防SP」が放映されました。NHKはこれまでも認知症キャンペーンで様々な認知症関連の特集を行ってきましたが今回は世界最先端の認知症予防に関する様々な研究が取り上げられました。

認知症問題に取り組むNHK

NHKは2015年より認知症キャンペーンを展開。これまでも「シリーズ認知症革命」などで、認知症のイロハ、認知症の介護のあり方、認知症予防運動などについて取り上げてきています。
NHK認知症キャンペーン

そして昨夜は ガッテン!で「これが世界最先端!”認知症”予防SP」が放映されました。
これが世界最先端!“認知症”予防SP

睡眠は脳の掃除時間

アルツハイマー病の予防に向けた研究で新発見があり、その予防のポイントが何点か紹介されていました。

脳が活動していくことで脳の老廃物が発生し、その老廃物(アミロイドβ)が凝集して塊(老人斑)が増え、脳の神経細胞が破壊され、脳が委縮し、アルツハイマー病が発生します。

アミロイドβがたまり始めるのは発症の25年ほど前からということもわかってきており、40代から認知症予防を意識した生活習慣を身につけることが望まれます。

健常者もアルツハイマー病を発症した人も、皆同じようにアミロイドβが発生します。ではどうしてアルツハイマー病を発症する人と、しない人がいるのか?

最新研究で明らかになってきたのは、アミロイドβを洗い流す力の低下がアルツハイマー病と関係があるということ。そして睡眠はアミロイドβを脳から排出することを促進することが明らかになってきました。つまり、睡眠時間は脳にとって大事な掃除時間。適切な睡眠をとって、脳を掃除する時間を確保することが重要なのです。

nounowでもこの研究については以前取り上げました(睡眠不足は認知症のリスクを高める)。

最近、世界的に「睡眠」が注目されていますが、この「睡眠がアミロイドβを排出する」研究の影響が大きいですね。

脳の神経細胞を活性化で予防

睡眠でアミロイドβを排出することは重要ですが、同時に脳の神経細胞を活性化することも予防には効果的。その3本柱が紹介されました。

1.有酸素運動 
有酸素運動をすることで、BDNF(脳由来神経栄養因子)が増え、脳内の神経新生を増大し神経成長を調整させたり、アミロイドβの分解を促進するともいわれます。また運動をするとよく睡眠をとることができるのでアミロイドβの排出にもつながります。

2.コミュニケーション 
特に決まった人ばかりでなく色々な人と出会って新鮮な会話をするとより効果的。

3.知的活動 
知的活動も神経細胞を活性化するのに効果的。囲碁、将棋、裁縫などが紹介されました。

nounow でも上記3つについては以前取り上げました。

継続した有酸素運動による海馬の増大は、BDNF(脳由来神経栄養因子)の活性レベルとも関連があるようです。脳内のBDNFは神経保護やその成長、シナプスの可塑性に関与する神経細胞で産出される液状たんぱく質であり、脳内の神経新生を増大し神経成長を調整させるという大切な役割を担っています。加齢にともない脳内のBDNF発現量は低下し、アルツハイマー型認知症患者では顕著な低下が報告されています。この活性が脳内の状態において必要なことなのです。(nounow 有酸素運動が海馬を大きくする)

いつものメンバーといつもの居酒屋で・・・という交流よりは、継続的に新しい人に出会ったり、多様なグループに属したり、なんらかの目的のあるグループ(ボランティア・NPOなど)でチャレンジングな活動をするなどの方が認知機能維持により良いということです。(nounow 人との関わりが脳の認知機能を高める

アメリカの研究チームは、高齢者を対象にした研究で知的活動が認知症の予防になることを2017年1月に「JAMA Neurology」誌に発表しました。

研究チームは、認知障害のない70歳以上の高齢者1929名を対象に毎日行っている知的活動に関する質問を行い、その活動を継続しているかどうかも確認しました。研究対象となった参加者の平均年齢は77歳で、観察期間は約4年間でした。知的活動としては、ゲーム、工芸、コンピューターの使用、社会活動を検討し、認知障害に関しては認知機能に関するテストを行い評価しました。

観察期間中に軽度認知症を発症したのは約1/4でしたが、知的活動を継続して行っている方においては認知症の発症リスクが低下することがわかりました。特にコンピューターを使用している高齢者において認知症の発症リスクが低く、次に工芸作業が続きました。具体的には、認知症の発症リスクをコンピューターの使用は30%、工芸作業は28%、社会活動は23%、ゲームは22%それぞれ低下させることが明らかになりました。(nounow 知的活動は認知症の予防になる

アルツハイマー病予防に有効?MIND食とは

また、2015年にラッシュ大学医療センター(米国シカゴ)の研究で発表された、アルツハイマー病を予防する食事法、「MIND食」についても紹介されていました。

nounowでも「MIND食」は取り上げています。

基本的に10種類の食品は毎日取り入れ、5種類の食品を避けるようにすればよいです。
10種類の取り入れるべき食材は、魚介類、緑黄色野菜、その他の野菜、ナッツ類、ベリー類、豆、玄米や全粒粉などの穀物、鶏肉、オリーブオイル、ワインです。ワインはポリフェノールを取り入れるために入っているので、コーヒーや緑茶などでも代用できます。
5種類の避けるべき食材は、赤身の肉、チーズ、お菓子、バターやマーガリン、揚げ物やファーストフードです。(nounowアルツハイマー病予防に効果的なMIND食

ただし、これはあくまで米国版であり日本人にどれだけ効果があるのかは現在研究中とのことです。

そして日本人の食生活では塩分摂取量が多めであり「減塩」が大切であることも強調されていました。

日本人の食事の研究ではこれまで東北大の研究(nounow 1975年頃の日本食スタイルが脳の認知機能維持に効果あり)、久山町研究(nounow “日本人の食習慣”と、認知症発症リスクとの関係は?)などがあります。必ずしもMIND食をそのまま取りいれる必要はなく減塩を意識した和食に少しMIND食の要素を加えることで十分かもしれませんね。

睡眠・運動・知的活動・コミュニケーション・食事が重要

しっかり睡眠をとり、有酸素運動などの運動をし、様々な知的活動で脳を使い、人との交流では決まった人ばかりではなく新しい人との出会いも積極的に増やし、食事に気をつけることが認知症予防につながるということです。

肝心なのはこれら大切なことを習慣化すること。

上記の中で現在できていないことの中からまず1つ、取り組んでみませんか?