若い頃に攻撃的な性格の人は中年期以降に認知機能が低下する

大塚真紀

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出典元:pixabay.com

認知症と性格の関係について以前nounowでもご紹介しましたが、今回の論文では20代の若いころの性格が中年期以降の認知機能に影響があるとした研究結果が報告されています。

性格と病気の関係とは

病気になりやすい性格というものがあるのをご存知でしょうか。医学的な研究では、個人の性格をタイプA、タイプB、タイプDと分類することがあります。タイプAの人は、競争を好み、常に他者より勝ろうと頑張りすぎる性格です。タイプAの性格の人は、そうでない性格の人よりも心臓病を発症するリスクが高いといわれています。タイプBの人は、のんびりしていて焦らない性格です。タイプAの人に比べると病気を発症するリスクは低いものの、社会で成功する可能性が低い傾向にあるといわれています。

タイプDの人は、心配性で、周囲からの非難を恐れ、ネガティブな感情になりやすい性格です。心臓病だけでなく、うつ病などの精神的な病気を発症しやすいといわれています。日本で行われた65歳以上の高齢者13929名を対象にした研究では、タイプDの性格の人は46.3%含まれ、精神的な悲しみや苦痛を感じやすく、身体的な不調も訴えやすいことがわかっています。

若い頃に攻撃的な性格の人は中年期以降に認知機能が低下する

アメリカの研究チームは、若い時に攻撃的な性格の人は50歳以降に認知機能が低下する可能性があることを2016年3月に「Neurology」誌に発表しました。

研究チームは、研究開始時点で25歳だった男女3126名を対象に、若いころの性格が中年以降の認知機能にどのような影響を及ぼすかを解析しました。
まず25歳の時点で、性格を評価する質問事項に答えてもらい、他者への攻撃性や思いやりなどを客観的に評価しました。そして、対象者を性格テストの結果で、攻撃性がある人と努力をする人という側面から評価し、4段階に分類しました。攻撃性に関しては、攻撃性がとても弱い、弱い、強い、とても強いという4段階とし、努力に関してはおおいに努力する、努力する、努力しない、全く努力しないという4段階にわけました。研究対象者が50歳になった時点で、注意力や集中力、言語記憶力に関する検査を行い、認知機能を評価しました。

すると、25歳の時に攻撃性がとても強かった人は、とても弱かった人と比べると認知機能テストの結果が平均で21%低いことが明らかになりました。また、全く努力しなかった人において、おおいに努力した人と比べると認知機能テストの結果が30%低いこともわかりました。つまり、今回の研究で若い頃に他者への攻撃性が強く、努力を怠る人は50歳以降に認知機能が低下する可能性が高い可能性が明らかになりました。

今までの研究でも、皮肉な性格の人や嫉妬深い性格の人は認知機能が低下する可能性が高いことが指摘されており(認知症を発症しやすい性格とは?)、できればおおらかに他者に対して思いやりをもって過ごす方が良さそうではあります。しかし、なぜ攻撃的な性格や努力をしない性格などが認知機能低下に影響を与えるかというメカニズムは明らかになっていないので、今後それらを評価する研究が行われることが期待されます。

<参考論文・参考資料>
Neurology. 2016 Mar 29;86(13):1227-34. doi: 10.1212/WNL.0000000000002517. Epub 2016 Mar 2.
Hostile attitudes and effortful coping in young adulthood predict cognition 25 years later.
Albanese E, Matthews KA, Zhang J, Jacobs DR Jr, Whitmer RA, Wadley VG, Yaffe K, Sidney S, Launer LJ.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26935891