歯周病で進行するアルツハイマー病

nounow編集部

smile-191626_1920 (1)

先月の歯周病学会で発表された、歯周病によって生じるある物質がアルツハイマー病の進行に影響するという研究について、テレビ番組が紹介した内容についてご紹介します。

アルツハイマー病の症状が歯周病で進行する

歯周病とアルツハイマー病の関係についてはこれまでも報告されていますが、6月7日のテレビ朝日「羽鳥真一モーニングショー」(08:00-09:55)で原因物質に関する以下の内容が取り上げられました。

歯周病は細菌が歯と歯茎の間にすみつき、歯茎の腫れが生じる病気です。日本人の成人の8割以上が感染しているとのことで、歯周病で発生する「酪酸(口臭の原因の一つ)」がアルツハイマー病の一因である可能性が研究により示されたようです。

この酪酸がどのような機序でアルツハイマー病を進行させるのか?ですが、口内で歯周病菌が酪酸を作り、歯茎からの血管を通じて体内から脳の海馬に侵入するらしく、酪酸が脳に到達すると鉄分子が過剰につくられ、脳細胞を破壊し、記憶を司る海馬の機能を低下させ、アルツハイマー病を進行させている可能性があるようです。

ある実験によると、健康なラットの歯茎に酪酸を注射したところ、6時間後鉄分子などの濃度が約80%まで上がり、アルツハイマー病患者の脳に生じるとされるタウ(蛋白質)が約40%増加しました。

この結果から、歯周病によって発生した酪酸がアルツハイマー病を進行させる原因である可能性が高いとしています。なお、歯周病患者は健康な人と比べて歯と歯茎の間の歯周ポケットに10〜20倍の酪酸が検出されているとのことです。

フジテレビでも同様の放送

6月1日にフジテレビ「直撃LIVEグッディ!」(13:45〜15:50)でも同様の放送がありました。

フジテレビ「直撃LIVEグッディ!」(13:45〜15:50)の公式ブログ

先月12日の歯周病学会で日本大学歯学部落合特任教授らにより発表された、歯周病菌が酪酸を発生させること、マウスへの実験でタウ蛋白が約40%増えたことなどが紹介されています。

また、歯周病を予防するための方法として、

・歯ブラシをケアする。歯磨き後は洗って乾かしたあと、日にあてて紫外線で除菌

・バルサミコ酢をとる。抗酸化作用と殺菌効果があるポリフェノールを摂る。

・唾液の分泌を促進する。ガムや小魚などを噛むことを増やし、唾液を増やして殺菌する。

などが挙げられています。

認知症発症リスクと歯周病

以前nounowでも歯周病とアルツハイマー病の関係については取り上げました。(nounow 歯周病がアルツハイマー病を引き起こす

台湾の研究チームが2016年9月に「Journal of the American Geriatrics Society」誌に発表した歯周病がある人とない人の認知症発症リスクに関する研究によると、歯周病があるグループの方が、ないグループに比べて認知症の発症リスクが高いことがわかりました。

研究チームは65歳以上で歯周病がある3028名と歯周病のない3028名を比較し、認知症の発症リスクに差があるかどうか検討しました。歯周病は歯科医師によって診断され、抗菌薬の投与か1年間に2回以上歯石除去の処置をされているものとしました。研究チームは、研究参加者に対して10年以上にわたり、認知症の発症や死亡、または研究終了期間までの経過を追いました。
結果を見ると、歯周病があるグループの方が、ないグループに比べて認知症の発症リスクが高いことがわかりました。今回の研究から、歯周病により目を向けることで認知症の発症を予防できる可能性が示されました。

また認知症以外にも歯周病は、狭心症や心筋梗塞などの心血管疾患、糖尿病、脳梗塞、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病との関連も指摘されています。

日本大学歯学部落合特任教授は「歯周病は放置する人が多いが 重大な病気につながる可能性があることを忘れてはならない。早めに治療すべき」と指摘しています。

上記の歯周病予防対策だけでなく、定期的に歯科検診で歯周病を早期発見・早期治療すべきですね。