血管性認知症患者の脳内で特定のタンパク質が増加〜京都大学の研究

nounow編集部

epilepsy-623346_1920

「血管性認知症」は脳卒中や脳の循環不全が原因となって起こり、アルツハイマー病に次いで2番目に多い認知症です。その血管性認知症の患者の脳では特定のタンパク質が通常より多く蓄積されているとする京都大学の研究についてご紹介します。

京都大学、血管性認知症の関連物質を発見。脳内で特定のタンパク質が増加

6月5日(月)の日本経済新聞朝刊に、京都大学による、認知症の原因としてアルツハイマー病の次に多い血管性認知症の発症機序を一部解明したとする研究が掲載されました。

京大、孤発性小血管性認知症の発症機序の一部を解明 (日本経済新聞 6月5日朝刊)

脳梗塞などが原因で、脳内の毛細血管が詰まることによって起こる小血管性認知症の患者は、脳内に特定のタンパク質が通常の5倍から10倍程度発生していることを、京都大の研究グループが発見しました。

なお、論文は5月31日、国際神経病理学会学術誌電子版に掲載されました。

京大の研究チームは、小血管性認知症7例とアルツハイマー病6例、認知症でない人6例について、67〜93歳の死者の脳を調査。その結果、小血管性認知症では「BMP4」と呼ばれる骨の形成などに関わるタンパク質が、健常な人の5〜10倍程度できていました。

マウスを1カ月間、脳に酸素が十分行き渡らない虚血状態にすると、認知機能が低下しBMP4が約10倍に増加。BMP4を抑制する別のたんぱく質を投与すると改善されました。

これらの結果を受けて、「BMP4が認知機能の低下に関係している可能性がある」と考察しています。また、「これまでは生活改善など予防的な対策しかなかったが、このタンパク質の働きを抑えることが新しい治療法の開発につながるかもしれない」と説明しています。

タンパク質と認知症

タンパク質の蓄積とアルツハイマー病、レビー小体型認知症との関係はこれまでも報告されていましたが、血管性認知症もやはりタンパク質の蓄積と関係があるようです。

本研究はまだ実験サンプル数が少ないですが、今後さらに研究が進み、詳細が明らかになっていくものと思います。

なお、三大認知症とタンパク質について簡単にまとめると、

●アルツハイマー型認知症の患者の脳には、アミロイドβタンパク質とタウタンパク質が蓄積

●レビー小体型認知症・パーキンソン病の患者の脳には、レビー小体というタンパク質の塊が蓄積

●血管性認知症の患者の脳には、BMP4というタンパク質が蓄積(今回の京都大学の発見)

ということになります。