実証 卓球で脳の萎縮をストップ!

nounow編集部

卓球が大脳皮質を厚くする(イメージ)
出典元:pixabay.com

リオ五輪で卓球男子は水谷選手が個人で初めて銅メダル、団体では銀メダル、女子も団体銅メダルで盛り上がっていますが、その卓球が脳萎縮を防ぐとする研究を紹介します。

脳の活性化実験

これまでnounowでも何度か取り上げてきましたが脳の老化対策として身体運動、特に有酸素運動の有用性は広く知られています。脳の委縮を防ぎ、なるべく若い脳を保つための秘訣、それは「頭をつかった有酸素運動」です。

イギリスBBCとKing’s College of LondonのDr Matthew Kemptonらは、有酸素運動の代表として有名な「ウォーキング」そして近年注目を集めている「卓球」、この2つの有酸素運動を比較し、脳の活性化と委縮について調べてみました。

脳の活性化と委縮の度合いを判断するための材料として用いられたのは、CTスキャン(委縮が進んでいるのかどうかも含めた脳の容量を把握するため)、そしてタブレット端末(操作することよって記憶力、判断力、集中力、認知能力、そして精神的安定を測定するため)の2つです。

期間は10週間、60歳以上の男女がランダムに2つのグループに分かれ、ウォーキングと卓球を実施しました。
ウォーキングは、1時間のウォーキングを週に2度。一人でも、もちろん愛犬や友人や家族といっしょでも、スタイルはなんでもOKです。

「卓球」は、やったことがない初心者が多いため、インストラクターに教わりながら練習し対戦します。卓球は年齢に関係なく取り組めるスポーツであり参加者は徐々に意欲的に取り組んでいきました。

脳の萎縮を防ぐ最強の有酸素運動とは

10週間経過後の結果は、大変興味深いものでした。

ウォーキングの結果
• 認知能力の活性化(卓球の約2倍)
• 海馬容量の増加(卓球の約3倍)

Dr Kempton曰く「ウォーキングは有酸素運動の効果が大変よく出ています。血液が脳により多くいきわたるため、脳内で化学物質が発生し、ニューロン(神経細胞)が死滅しないで保たれています。」

卓球の結果
• 大脳皮質(灰白質)の肥厚(ウォーキングの約5倍)

大脳皮質は脳の表面の大部分を占めており、複雑な事象を解決する思考能力などの高次機能を司っています。
老化に伴い委縮する部分はこの大脳皮質(灰白質)です。
つまり卓球をした高齢者の脳では、脳の萎縮が進まず、逆に厚くなっていたという驚くべき結果でした。

Dr Kempton曰く「卓球は有酸素運動をしながら身体を鍛えるにとどまらず、新しいことを学ぶ能力、相手のプレーを見ながら判断し一瞬の反射神経を培う能力、そしてどうやって対戦するかという作戦を練る(戦略)能力、そういった要素が加わってくるため、考える力つまり大脳の高次機能である思考能力を活性化させると同時にその能力を保つことができる素晴らしい有酸素運動といえます。」

さらに「卓球は単独ではなくグループ活動のため他人とのやりとりがあります。運動後、仲間といっしょにコーヒーを飲んだり、話したり、お互いに励まし合ったり、笑ったり、社会活動に参加しているという自信も生まれます。他人とのやりとりがあるため、コミュニケーションを通じてコーディネーション能力やコミュニケーション能力も生まれてきます。」としています。

頭を使った有酸素運動卓球で脳萎縮予防

私たちの脳は、新しいことを学んだり、人と交わってコミュニケーションをとりながら、そして考えながら(頭を使いながら)活動することで活性化することができます。

今後さらに高齢化が進む社会では、すでに一般的に効用が知られているウオーキングなどの有酸素運動だけでなく、頭を使った有酸素運動である卓球にも注目が集まりそうです。

リオ五輪で改めて注目を浴びた卓球、はじめてみてもいいかもしれませんね。

参考URL
How To Stay Young (BBC One program)
http://www.bbc.co.uk/programmes/b0770cpf