1日8,000歩・20分の速歩きで、認知症予防

nounow編集部

中之条研究で推奨されている1日8,000歩・20分の速歩き(イメージ)

よく「1日1万歩歩きましょう」、「有酸素運動が認知機能維持に有効」といわれます。中之条研究によると、1日1万歩も歩く必要はなく、8,000歩+20分の速歩きが認知症予防に有効という結論が出ています。

日常に取り入れやすい認知症予防策は?

有酸素運動が認知症予防法として知られてきています。特に、中強度の運動がいい、ということも言われています。

とはいえ、運動のためにトレーニングのスタイルに着替えて、外に出て一定時間をしっかり運動しないといけないと思うと、それはそれで気分的なハードルも高くなりがちです。

特に、気温が低い冬の時期なんかは外へ出るのも億劫になったり・・・。

トレーニングのための準備も億劫(イメージ)
Photo by pixabay

しかし私たち人間は何も外へ出て運動をしなくても家の中で歩きまわり、活動することも多いのです。外へ買い物へ出かけることもあるし、戸建てに住んでいれば庭の掃除やご近所さんに回覧板をまわしにいったりします。要するに、わざわざ構えて「運動」をしなくても、日々動き回ることで身体活動しているのです。

そこで、脳の認知機能低下を抑えるために「1日の歩数」や「活動の種類」を具体的に示した研究をご紹介します。

認知症予防には、1万歩もいらない!

「中之条研究」(高齢者の日常的な身体活動と健康に関する研究)は、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター研究所の青柳幸利教授によって、群馬県中之条町の65歳以上の全住民約5,000人を対象に、2000年より10数年もの長期に渡って行われた調査です。

中強度の身体活動時間のデータが取れるように被験者に小型携帯活動計を配布し常に身につけてもらうとともに、毎年身体活動の状況や睡眠時間、食生活や病気の有無などのアンケート調査を行い、そのデータを分析したものです。

運動強度の単位で使われる「METs」(メッツ)は、消費カロリーを表し、何もしない時(安静時)の代謝が1METs、その2倍のカロリーを消費する場合に2METsという具合に設定され、一般的に1~2METs=低強度、3~5METs=中強度、6METs以上=高強度と言われています。

1日あたりの歩数+中強度の身体活動時間と各疾患の有病率の関係から以下のようなことがわかってきました。

  • 4,000歩以上・中強度活動時間5分以上でうつ病の予防
  • 5,000歩・7.5分以上で認知症、心疾患、脳卒中の予防
  • 7,000歩・15分以上でがんや骨粗鬆症の予防
  • 8,000歩・20分以上で高血圧症、糖尿病の予防など

この調査・分析の結果、1日8,000歩の活動と、20分間の速歩きが、認知症をはじめとした様々な疾患の予防になると結論づけられています。

朗報としては、「速歩き・20分」は必ずしも連続して行う必要はないそうです。それであれば、コンビニに買い物に行く道すがらに少し遠回りをして速歩きしてみたり、通勤時に駅まで歩く際にやってみる、など日常的に少し気をつければできることですよね。

まず、活動量計を携帯することをお勧めします。最近はスマートフォンや様々なウェアラブルデバイスで活動量測定が可能です。

(出典)高齢者の認知機能と運動・身体活動の関係―前向き研究による検討―(第25回健康医科学研究助成論文集 平成20年度)
http://www.my-zaidan.or.jp/download/kenko-r/pdf/kenko-25/R25-129-136.pdf
「8,000歩/20分」以上の運動は、病気の予防にならない~「中之条研究」の研究者が語る(日経デジタルヘルス 2015年1月14日掲載)
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20150113/398600/?ST=ndh&P=2

Top Photo by pixabay