運動+αが認知症を予防する?

佐藤洋平

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出典元:cdn.pixabay.com

運動と認知症予防の関連についてはnounowで何度か取り上げてきましたが、運動の種類や頻度と認知機能低下リスクの関連性を調査した米国の大規模な調査をご紹介します。

運動+認知的活動が有効

運動が認知症の予防にいいという話はよく聞きます。

しかしこの運動というのはあまりに漠然としていて果たして何をどれ位やればいいのかという所がはっきりしないのですが、果たして運動の種類や頻度というのは認知症の予防にどれ位影響するのでしょうか。

今回取り上げる論文は運動の種類と運動時間、認知症の予防効果について全米の高齢者を対象に詳しく調べたものです。

研究では全米の5280名を対象に運動の種類と頻度を聞き取り、認知機能の調査(MMSE)を行い、5年ないし10年の追跡調査を行っています。

結論を述べると週に複数回20分以上の運動を行っていると認知症の予防効果がある他、20分未満の運動であっても、2種類以上の運動(ウォーキングと庭仕事など)を行っているとこれまた認知症の予防効果があること、また庭仕事自体が認知症の予防にある程度有効であることが示されています。尚、米国の「庭」は広く運動量も多いということには留意する必要はあると思われます。

これらの理由として認知症の予防は運動だけではなく認知的な活動も大事なようで、複数の運動を行うことで様々な人との交流が生まれ、それゆえそれが認知症の予防効果を押し上げるのではないかということが述べられています。

ヒトはカラダのみにて生きる生き物ではないのだろうなと思いました。

論文要旨

・背景
加齢はアルツハイマー病および他の認知症の頑強な危険因子である。そのため米国における人口の高齢化によって、予防的介入が特定されなければ認知症の蔓延が劇的に増加することが考えられる。この研究の目的は、運動と認知障害のリスクを低下させる潜在的な関連性を調査することである。

・メソッド
National Long Term Care Survey(NLTCS)のデータを使用した。運動の参加レベルをベースライン(1994年)で測定し、認知障害状態をベースラインおよび5年および10年のフォローアップで測定した。年齢、性別、教育、認知テストのベースラインスコア、糖尿病および高血圧を調整して、線形回帰解析を行った。

・結果
10年間の追跡調査では、異なるタイプの運動の回数は、少なくとも20分間持続する運動セッション数(p = 0.007)と同様に、認知障害の発症と逆相関を示した(p = 0.002)。

・結論
NLTCSデータからの研究結果は、運動が認知症のリスクを低下させることが示された。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2983109/
Alzheimers Dement. Author manuscript; available in PMC 2011 Nov 1.
Published in final edited form as:
Alzheimers Dement. 2010 Nov 1; 6(6): 448–455.
doi: 10.1016/j.jalz.2010.02.004
PMCID: PMC2983109
NIHMSID: NIHMS184285
Exercise and cognition: Results from the National Long Term Care Survey
M. Kathryn Jedrziewski, PhD,A,B,D,E,* Douglas C. Ewbank, PhD,F Haidong Wang, PhD,G and John Q. Trojanowski, MD, PhDA,B,C,D,E
コンテンツ提供:脳科学リハビリテーション