歩行と認知症の関係〜「歩幅」が「歩くテンポ」より重要

nounow編集部

woman-1767639_1920
出典元:pixabay.com

歩行スピードと認知症発症リスクの関連は様々な研究が示唆していますが、東京都健康長寿医療センター研究所が行った研究によると「歩くテンポ」以上に「歩幅」が重要とのことです。

歩幅が狭くなった人は要注意

東京都健康長寿医療センター研究所が行った歩行の状態が認知症発症リスクと関連するという研究が今年JAMDA(Journal of the American Medical Directors Association)に掲載されました。

この研究は、群馬県内で毎年実施されている住民の特定健診の受診者が対象で、認知症でない1686人(のべ6509人)について最大歩行速度などの変化と認知症の発症リスクとの関連を調べたものです。

結果は、歩く速度が速く保たれる群の認知症発症リスクを「1」とすると、中程度の歩行の速さの群で1.53倍、どんどん遅くなる群では2.05倍認知症の発症リスクが高くなっていたとのことです。

また今回の研究で「歩幅がどんどん狭くなる群」は「歩幅が広いままで保たれる群」より認知症の発症リスクが2.8倍高くなる傾向にあることがわかり、歩行速度で重要なのは「歩くテンポ」より「歩幅」だとしています。

週刊朝日 2017年4月7日号より

歩行スピードと認知症リスクに関する多くの研究

以前nounowでも歩行スピードと認知症との関連について記事を掲載しています。(歩くスピードが遅くなるのは認知症のサイン

2012年にカナダで行われた国際アルツハイマー病会議で、歩行速度の遅れや歩幅の変化などの歩行障害が認知機能の低下を表している可能性があると報告されています。

スイスのチームが行った研究によると認知機能の正常な参加者1153名を追跡したところ、健常な人、軽度認知障害者、アルツハイマー病発症者の順番に歩行速度が遅くなることが判明しました。

それ以外にも米イェシバ大学の研究者らの世界17カ国約2万7000人を対象にした調査の解析によると、歩行速度と記憶力の簡単なテストで将来の認知症発症リスクが診断できるとのことです。

同グループは運動機能でわかる認知症の前段階として、「運動認知リスク症候群(MCR)」という概念を提唱しており、上記解析では、歩行速度と記憶力の簡単なテストと認知症リスクとの関連を調べました。

まだ認知症ではない60歳以上の男女のうち、MCRとされた約5000人に絞り込んで最長12年間にわたる追跡した結果、MCRと診断された人は、そうではなかった人と比べて認知症発症率が約2倍だったとのことです。

MCR診断では時速約3.5キロメートル以下が「遅い」(秒速約97cm)、1分当たり36メートル未満(秒速60cm)にまで落ちると「明らかに異常」と診断されます。
記憶力より歩行速度が鍵? 新しい認知症診断テスト

また、NHKのシリーズ認知症革命では 「秒速80cm以下」が要注意としています。
NHKシリーズ認知症革命

秒速80cm(時速2.9Km)かどうかを見定める方法として、横断歩道は秒速100cmで渡れるようになっているものが多いため、信号を以前は渡りきれていたのが、渡りきれなくなると要注意とのことで、秒速100cm、時速で3.6Kmが維持ラインといえそうです。

なお、スマホで歩行スピードを測定しAIが分析、歩行速度が落ち始めた方にアラートを出すなどの認知症予防サービスもはじまっており(AI、ロボット、VRなど最新テクノロジーで認知症予防)、歩行速度や歩幅からアラートをだすサービスがいろいろでてきそうです。

歩幅意識しての1日8000歩・20分早歩き

有名な中之条研究では 1日8000歩・20分の早歩きが推奨されています。
1日8,000歩・20分の速歩きで、認知症予防

歩幅広く・早く歩くには足の筋肉量も必要です。スクワットなどの筋トレで脚力を鍛えることも大切です。

広い歩幅を意識しての1日8000歩・20分早歩きの習慣化が認知症を遠ざけそうです。