「キレイ!」は認知機能維持に役立つ~お化粧の効果

nounow編集部

スキンケア・メイクのイメージ
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お化粧をすることの心理面などへの影響はすでによく知られていますが、認知機能の維持にも効果があることが示されています。年齢を重ねるにつれて、薄れがちな「キレイになりたい」という気持ちを刺激する環境づくりも大事かもしれません。

お化粧の効果

最近では若者を中心に男性でも化粧をする時代になりました。化粧をして綺麗になると気分があがり健康にもいいとよくいわれます。特に化粧をすることが高齢者に与える好影響については既に一般的に認識されています。

化粧品会社を中心に様々な研究結果も出されています。例えば株式会社資生堂(以下、資生堂)は高齢者施設向けに、化粧行為を楽しみながら行ない QOL(Quality of Life=生活の質)を高める「化粧療法プログラム(お化粧教室)」を独自に開発し、2011年から首都圏で有償展開しています。

化粧をすることでの身体機能への影響(上肢筋肉に負荷がかかるため筋力維持に役立つこと)を施設との共同研究で明らかにしており、そこでは握力の向上や日常生活動作の改善が見られ、一人平均4項目(全17項目中)改善が認められたと報告しています(参照:資生堂リリース「継続的な化粧行為が高齢者の日常生活動作を向上させることを実証」)。

また、1993年に徳島県の鳴門山上病院で入院中の高齢者に対して行った「身だしなみセミナー」をきっかけとする病院側の研究では、症状の緩和やQOL向上の効果が認められるなど、お化粧することでの心理面への好影響は実証されています。

メークアップ(イメージ)
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お化粧が認知機能維持にも役立つ研究結果が

お化粧は認知機能の維持・向上にもよさそうです。

2012年に酒谷薫教授(日本大学工学部)と資生堂リサーチセンターが東京都東村山市の高齢者施設で行った研究では、中~重度の認知症患者を対象に、化粧をする群としない群に分けて、研究開始時と3カ月経過後の認知機能の検査・測定を実施しました。

検査内容は、MMSE(ミニメンタルステート検査。認知症の診断に一般的に用いられているテスト)、言語流暢性課題、近赤外分光分析法(NIRS)を用いての前頭葉活動の計測、日常行動の変化をスコア化するための機能的自立度評価表、握力の5項目です。その結果、MMSE、言語流暢性課題、前頭葉活動の3点において有意差が見られました。

化粧をしなかった女性では、3ヶ月間で有意に認知症の度合いが進行し、言語流暢性も低下する傾向にあった。一方、化粧を継続した女性では、両指標に差は見られなかった。この事から、化粧は施設に入居した高齢者の認知症進行を抑制する効果があるものと考えられた。
(引用)「脳を活性化する化粧~認知症に対する改善効果の期待」

2007年にも、岐阜医療科学大学の八田武俊准教授らによって、高齢者を対象にした生活習慣としての化粧行動が認知機能に及ぼす影響について、北海道のある自治体で独自の調査票をもとに研究が行われています。その分析結果として、化粧行動の有効性が認められています。

本研究は、加齢に伴い、女性がメーキャップ、ケアの順に化粧行動をやめていく傾向にあることと、女性がケアを習慣的に行うことは高次脳機能の低下を遅延させることを示しており、アンチエイジングの観点から化粧行動は認知機能にとって有効な手段であるといえる。
(引用)「中高年の化粧行動と高次機能について」

いつまでもキレイで居続けるために

近年、東京都の青梅市でミスコンならぬ「ババコン」というイベントが開催されています。

このイベントは青梅市のおうめ若者カフェという若者団体中心の実行委員会が実施した地域活性化のイベントです。普段着ないようなファッショナブルな服を着る喜び、注目されることでの刺激などを含めて、お化粧をすることと似たような効果が期待されます。

「いつまでもキレイでいたい」という気持ちを刺激する環境づくりに地域ぐるみで取り組むのもいいことかもしれません。