男はつらいよ!?孤独感と死亡率の関係について

nounow編集部

孤独な人(イメージ)
出典元:pixabay.com

社会的に孤立しているかどうかより本人(特に男性)が孤独感を感じているかどうかがより死亡率と関係するという論文を紹介します。

孤独感とは

一般的に「孤独は健康に良くない」とよくいわれます。実際に孤立しているかどうかより、本人が孤独感を感じているかどうかがより重要だとする論文を紹介します。

ちなみに孤独感とは複合的な感覚であり、ある定義によると「自尊心の低下」、「気分の変調」、「不安感」、「怒り」、「楽天性の低下」、「否定的な評価への恐れ」、「内気であること」、「社会的なスキルの少なさ」、「社会的支援の少なさ」、「社交性の少なさ」などから構成されているのではないかとのことです。

男性の孤独感が死亡率と関連

この研究は
1)アムステルダムに住む65歳から84歳の4004人の高齢者男女を対象に孤独感と社会的孤立、その他社会的・健康的要因について調査
2)10年間フォローアップを行い死亡率について調査
3)孤独感と社会的孤立のどちらが死亡率に大きな影響を与えていたか,また女性と男性ではどちらが孤独感や社会的孤立が死亡率に影響しやすいかについて検討
という形で行われました。

結論は、社会的に孤立しているだけでは死亡率には大きな影響を及ぼさず、実際に死亡率に響くのは本人がどれだけ孤独を感じているかという点であり、かつ男性の方が女性よりも孤独感が死亡に結びつきやすかったとのことです。

女性において孤独感が死亡率に繋がりにくかった要因として、女性の場合は女性ホルモンの一つであるエストロゲンが孤独感からくるストレスを緩和してくれているのではないかということが述べられています。

自治体が開催する介護予防教室などが高齢女性で賑わっているのに比べ、男性がなかなか出てこない事が問題になっているという話を聞きます。もし男性が孤独感を感じがち、すなわち自尊心が低く、不安や怒りを感じやすくて、内気で社交性に乏しく、人から否定的に評価される事が怖いなら、外に積極的に出て行けなくなりそうです。

「高齢男性の孤独感をどう解消するか」はこれからの大きな社会課題ですね。

【論文要旨】

背景)孤独感は心身の健康状態に大きな影響をあたえることが知られている。しかしながら孤独感が死亡率に与える影響やその男女差,あるいは孤独感と社会的孤立がそれぞれの影響については十分な知見が得られていない。本研究では高齢の男女の孤独感と社会的孤立が死亡率にどのような影響を与えるかについて他の要因を調整した後に検討を行う。

方法)今回の前向きコホート研究では65歳から84歳の高齢者4004人を対象に10年間のフォローアップを設けて調査を行った。精神疾患や健康状態、認知機能、機能的状態や社会人口学的要因を調整した後、社会的孤立と孤独感が死亡率に与える影響についてコックス比例ハザードモデルを用いて検討を行った。

結果)10年のフォローアップにおいて,ベースラインで孤独感の強い男性は有意に孤独感の強い女性よりも死亡していた。他の要因で調整を行った後、孤独感の強い男性の死亡ハザード比は1.3であるのに対して女性のそれは1.04であった。

結論)社会的孤立よりも孤独感そのものが高齢男性において死亡リスクを高める要因であることが示された。

http://dare.ubvu.vu.nl/…/2012%20PM%20Holwerda%20et%20al%20I…
Psychol Med. 2012 Apr;42(4):843-53. doi: 10.1017/S0033291711001772. Epub 2011 Sep 6.
Increased risk of mortality associated with social isolation in older men: only when feeling lonely? Results from the Amsterdam Study of the Elderly (AMSTEL).
Holwerda TJ1, Beekman AT, Deeg DJ, Stek ML, van Tilburg TG, Visser PJ, Schmand B, Jonker C, Schoevers RA.
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出典:脳科学リハビリテーション