人と絡む仕事は認知機能を維持する

nounow編集部

人と絡む仕事(イメージ)
出典元:pixabay.com

Alzheimer’s Association International Conference (AAIC) 2016で発表された、人と協働する仕事が認知機能維持に有効とする研究を紹介します。

AAICでの複数の研究発表

先月カナダトロントで開催されたAAIC 2016で、「人と相互作用して行う複雑な仕事は、脳に病変があってもその認知機能への悪影響により耐えることができる」という研究が発表されました。

Elizabeth Boots博士によると

「複雑な社会的相互作用を必要とする仕事をしている場合は、独自でのデータ分析の作業や複雑な加工装置を扱う仕事とは対照的に、特にあてはまります。」

「人はデータや物より複雑であり、人と相互作用する仕事はデータや物を扱う仕事以上に脳の力が必要とされるのです。」

とのことです。

また、他の研究では「社会的にアクティブに活動し、高い教育を受け、刺激的な仕事をしている人は、悪い食生活を送っていてもその影響をカバーする」とのことでした。

Boots博士は

「これらの発見はいずれも”認知的予備力”と関わっています。様々な人生経験、高い教育、複雑な仕事などがアルツハイマー病を予防しうるのです。」

とも語っています。

また、University of Wisconsin’s Alzheimer’s Disease Research CenterのOkonkwo氏曰く

「今、あまり刺激的でない仕事についているとしても、認知症になることを運命づけられているわけではありません。ボランティア活動は同じ効果を与えるし、ボーイスカウトやリトルリーグでメンターとして役割を果たすことも同じ効果があるのです。」

とのことです。

尚、上記研究は因果関係を証明するまでには至っていないとのことです。

人は人を扱う仕事を行うべき?

高等教育が認知機能維持に有効とする研究結果や、様々な知的刺激が認知症予防に有効であるとするエビデンスは多々ありますが、人は最も複雑であり人と協調して相互作用しながら行う仕事が、データなどを扱う仕事以上に認知的予備力をつけて認知機能を維持するという今回の研究発表は新鮮でした。

データや物を扱う仕事は人工知能に任せて 人間は人間を扱う仕事(高度なコミュニケーションが求められる仕事など)に集中するべきとする人工知能との分業論がありますが、認知機能への影響という観点でもその方が良いという結論は示唆的ですね。

出典:http://www.multivu.com/players/English/7865351-aaic-2016-cognitive-training/