地域活動で認知機能向上

nounow編集部

認知症予防としての地域活動(イメージ)

仕事や家事に追われて毎日多忙な中、地域活動なんてやってられない!そう思う方も多いでしょう。しかし地域での人との繋がりが認知機能維持に有効だとしたら?

一般論としての、地域活動の重要性

みなさんはお住まいの地域で何か活動をされていますか?

最近は町内会で特に若い世帯の入会者が減り、高齢者ばかりの集まりになってしまっていると嘆く自治体関係者から話を聴いたことがあります。阪神淡路大震災や東日本大震災を踏まえ、防災や災害時の助け合いの観点から、“ご近所づきあい”の重要性が改めて叫ばれるようになってきました。

確かに、大きな災害などが発生した時に近所で知り合いや顔見知りが多く人間関係が築けていると、助け合いもスムーズになり、精神的にも不安が和らぐという効果もあるのではないでしょうか

地域活動が、認知症予防にもなりえる

町内会のみならず住んでいる地域で何か定期的に集まったり、会合を開いて議論をしたりすることが認知機能向上にもよい、という研究結果があります。

「認知症を患っていない中国人コミュニティベースをサンプルとした運動と社会的相互関係についてのランダム化試験での脳の容積と認知の変化」
(出典)http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3788823/

これは中国の復旦大学やカリフォルニア大学らの研究で、上海のある寺院コミュニティ内から69-79歳の男女各125名(合計250名)をランダムに集め、

  • 太極拳
  • ウォーキング
  • ソーシャルコミュニケーション
  • 介入なし

の4つの群に分けて40週後その脳容量と認知機能の変化を調査したものです。

太極拳のグループは週3回、ウォームアップエクササイズからはじまり太極拳とクールダウンで合計50分間のトレーニングを実施し、ウォーキング群は週3回、公園で早歩きを30分+ウォームアップとクールダウンが各10分実施しました。ソーシャルコミュニケーション群は、近くのコミュニティセンターで週3回集まり、示された方向性に基づいて自分でトピックを選びグループで議論をするという1時間のセッションを行いました。

この調査の結果として、実はウォーキング群と未介入群との間で明確な優位差はみられなかったものの、太極拳群とソーシャルコミュニケーション群では、未介入群よりも脳容量と認知機能の両方が改善されたと報告されています。

認知機能向上に効果があるソーシャルコミュニケーション(イメージ)Photo by pixabay

対人関係が、認知機能の改善に貢献

これとは別の研究でも、対人関係そのものが認知機能の改善に貢献しているという研究報告があります。

「他者に自分が与えた以上に、(自分は)恩恵を受けている」と感じる者はリスク減少につながっている
(引用)「運動による脳の制御~認知症予防のための運動」島田裕之

これらの研究結果から、社会的参加や対人交流そのものが認知症予防につながる可能性はありそうです。

確かに地域活動は仕事とは全く別な近隣に住む人たちの集まりであることが多く、参加者の持つスキルや知識や社会的背景などは本当に様々であることが多いです。

相手の意見をしっかりと聴き、自分でも考えて意見を述べそれを調整していくことや、何か一つのことに協力して取り組んでいくことで脳が活性化しているのではないでしょうか。

認知機能維持を目的に、住んでいる地域で何かのコミュニティに参加してみてもいいですね。

(出典)「運動による脳の制御~認知症予防のための運動」島田裕之
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