“日本人の食習慣”と、認知症発症リスクとの関係は?

nounow編集部

日本食は何を食べることが認知症発症のリスクを減らす?(イメージ)
出典元:pixabay.com

認知症予防に効果的な食習慣は何か――。この疑問に答える研究成果はいくつかありますが、今回は3年前に行われた「日本人にとっては何が良いのか」という研究成果をご紹介します。

アジア人(日本人)を対象にした、世界初の研究

認知症と食の関係については、これまでもいくつかの研究が行われてきましたが、いずれも欧米での研究であり、アジア人を対象とした「認知症と食事の関係性」についての研究は、行われてきませんでした。一般的に地中海料理が良いといわれますが我々日本人が全面的に地中海料理に移行するのは困難でしょう。

そこで、九州大学の小澤未央氏らは、世界で初めて「日本人における食習慣と認知症のリスクに関する潜在的な関係性」についての研究(2013年)を行いました。

“日本人高齢者における食習慣と認知症のリスク”
Dietary patterns and risk of dementia in an elderly Japanese population: the Hisayama Study

 

  • 調査対象は日本の疫学調査の地として様々な研究が行われている「久山町」の住民のうち、研究スタートの時点で認知症を発症していない60~79歳の日本人1,006人
  • 追跡期間中央値は15年
  • 追跡調査中に、271人が認知症を発症した(アルツハイマー型認知症144人、血管性認知症88人)

これらの被験者のデータを元に、食習慣と認知症発症の推定リスクとの関連性についての調査を行いました。

認知症リスクが低くなる食習慣とは?

研究グループは、調査開始の時点で食習慣についてのヒアリングを行い、被験者を7つのグループに分けました。認知症の発症と食習慣について、複雑な潜在的な交絡因子も含めて分析すると、グループ1の人たちは、認知症のリスクが低くなる傾向が確認されました。

グループ1の人たちの特徴は

  • 「大豆・大豆製品」、「野菜」、「藻類」、「牛乳・乳製品」を多く食べる
  • それに反比例するかのように「米」の摂取量が少なかった

というものでした。

尚、上記品目より影響は小さいものの 果物・果物ジュース、魚、卵、芋類の摂取が多く、酒の摂取が少ないという傾向もみられたようです。

何事も“バランス” が大事?

尚、今回の研究で減らすとよいものとされた米に関しては、単品でみると認知症発症とは関連がなく、米の摂取が増えると他のおかず類の摂取量が減ることで認知症リスクを高める可能性がある、と解説されています。主食・主菜・副菜のバランスが大事ということです。

また一般的に認知症予防によいとされる地中海食パターンでは乳製品は控えめを推奨しますが、日本人はもともと乳製品の摂取の絶対量が少ないこともあり、摂取量が多いほど有意に認知症リスクが低下するという結果でした。乳製品に含まれるカルシウムやマグネシウム、ビタミンB12には認知症予防効果があるとされています。

主食に少々の米、主菜に魚や大豆・大豆製品、副菜に緑黄色野菜や淡色野菜、海藻類という基本的な和食パターン+乳製品を加えたバランスの良い食生活が認知症予防に良さそうです。

(参考)
CareNet 日本人の認知症リスクに関連する食習慣とは?
The Amerivcan Journal of CLINICAL NUTRION
Dietary patterns and risk of dementia in an elderly Japanese population: the Hisayama Study