なぜ、カレーは認知症予防にいいのか?理由は二日酔いに効くアレにあった

takahiro

カレーが認知症に効く(イメージ)
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カレーに含まれるクルクミンには肝臓保護作用があることが知られていますが、アルツハイマー型認知症のリスクを軽減する効果があるとする研究もいくつかあります。マウス実験では脳の番人ともいえる「血液脳関門」をクルクミンが通って脳内の老人班に結合し、アミロイドベータの蓄積量も減らすという研究も。

カレーに含まれるクルクミン

香辛料や黄色の着色料、そして生薬としても知られるウコン(英語名:ターメリック、沖縄ではウッチンとも呼ばれる)は、カレーなどの食品に古くから使われていて、クルクミンというポリフェノールをたくさん含んでいます。

カレーの黄色は、このクルクミンが由来です。クルクミンは強い抗酸化作用をもち、秋ウコンにたくさん含まれますが、春ウコン(正式名はキョウオウ)にも少量含まれています。

ウコンには肝臓保護作用があることがわかっており、二日酔い防止などに用いられてきましたが、最近では、アルルハイマー病のアミロイドベータ沈着を減らす効果が注目されており、ポリフェノールの中でも一番の有望株です。

クルクミンの研究成果

ウコン入りの健康飲料が二日酔い防止に飲まれているようですが、カレーなら昼食のメニューでも組み入れられます。

しかし香辛料程度に入っているような成分が、果たして本当にアルツハイマー病を予防できるのか、疑問に感じる方もいると思います。そこで、クルクミンに関する研究成果に目を向けてみましょう。

まずピッツバーグ大のChandra Vらが2001年に発表した疫学研究では、65歳以上でのアルツハイマー病の発症頻度が、カレーをたくさん食べるインド人は米国人に比べて約1/3だったという報告があります。ただし、人種もカレー以外の食生活も医療環境(診断の正確さ)も異なるので、これだけでは定かではありません。

またシンガポール国立大のNg TPらが2006年に発表した研究では2003年に60~93歳だった高齢者1,010名を対象に調査し、カレーをたくさん食べると認知機能低下の頻度が少ないことが示されています。

次に動物実験ですが、UCLAのLim GPら2001年に発表した実験では、加齢とともにベータタンパクが蓄積するトランスジェニックマウスの餌にクルクミンを混ぜて投与したところ、脳ベータタンパク異常蓄積が減少することが報告されています。

また、餌に含まれたクルクミンが、腸で吸収されて血液を巡って脳に入り、脳内の老人斑アミロイドに結合することが確認されています。

ウコンに含まれるクルクミンが認知症に効く(イメージ)
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食べると脳に「効く」

マウス実験ではクルクミンは、食べると脳に「効く」ことが明らかになったわけです。脳には「血液脳関門」という番人がいるために何でも脳内に入っていけるわけではありません。薬剤でも脳に入れるものと入れないものがあり、このことは非常に重要です。

先の実験では、クルクミンを投与すると、アミロイドベータ沈着だけでなく、組織の酸化ダメージと炎症をも低減するとされています。クルクミンの抗酸化作用でしょう。試験管内実験でも、クルクミンはアミロイドベータ繊維を崩壊させることが示されています。

このように、クルクミンの効果については複数の動物実験で有効性は示されてはいますが、疫学データはまだ不足しています。臨床試験(アルツハイマー病の方への投与)が行われて、クルクミンの効果が実証されることが期待されます。

(出典)Incidence of Alzheimer’s disease in a rural community in India: the Indo-US study.
Curry consumption and cognitive function in the elderly.
Curcumin has potent anti-amyloidogenic effects for Alzheimer’s beta-amyloid fibrils in vitro.
The curry spice curcumin reduces oxidative damage and amyloid pathology in an Alzheimer transgenic mouse.