赤ワインをたしなみ、認知症をふせぐ

takahiro

ワインと認知症の深い関係(イメージ)
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お酒を飲むならポリフェノールが豊富に含まれる赤ワインがよいかもしれません。様々な疫学研究や動物実験などがアルツハイマー病に有効との結果を示しています。ただし、グラス2杯程度の適量が推奨されており飲み過ぎには要注意です。

赤ワインに豊富に含まれるポリフェノール

大量のアルコールを長期間にわたって飲み続ければ、認知症に限らず、身体に良くないことは明らかです。
でも、いくら病気になりたくないといっても、飲みたい気持ちを抑えてストレスをため込んでしまっては逆効果になってしまいます。適度な飲酒は食欲も増してくれますし、楽しい語らいにも不可欠です。

そこで注目したいのが、ワインポリフェノールです。ワインには、ミリセチンをはじめとする何種類ものポリフェノールが含まれています。ブドウの種を噛むとすごい苦味が口に広がりますが、これがポリフェノールの味です。

実は、ポリフェノールはブドウの皮や種にたくさん含まれています。赤ワインは皮も一緒に発酵させますので、ポリフェノールは白ワインよりも赤ワインに多量に含まれます。

ビールは、苦味を出すために加えられるホップにはポリフェノールが含まれますが、ホップが認知症の原因物質とされるアミロイドベータの凝集に及ぼす効果は不明です。また、焼酎は蒸留酒なのでポリフェノールはほとんど含まれていません。

赤ワインのブドウ(イメージ)
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疫学研究の結果は?

カナダのオタワ大学のLindsay Jらが2002年に発表した研究や、2004年にコロムビア大学のLuchsinger JAらが発表した研究など、飲酒とアルツハイマー病の頻度を調べたいくつもの疫学研究で、赤ワインはアルツハイマー病のリスクを半減するという結果が出ていて信頼性は高いと評価できます。

一方、ビールやウイスキーなどでは弱い防止効果があったりなかったりとまちまちの結果です。

米国の食品医薬品局(FDA)は、男性はワインを1日にワイングラス2杯、女性は1杯程度を推奨しています。

アミロイドベータへの効果

金沢大学の小野賢二郎氏が2003年に発表した試験管内実験では、ミリセチンなどのポリフェノールにアミロイドベータの凝集を阻害する作用や分解作用が見つけられています。

ニューヨークのマウントサイナイ医科大学のWang J氏らが2006年に発表した動物への投与実験では、精製したポリフェノールではなく、赤ワインそのもので有効性が示されています。

その実験は、カベルネ・ソーヴィニヨン種の赤ワインをエタノール濃度が6%になるように薄めて、飲料水としてマウスに与えました。すると、赤ワイン投与群のみで、脳のアミロイドベータ沈着(老人斑)が減少していました。また赤ワイン群では、アミロイドベータの産生を減らすように代謝が変化したことも示されました。さらに、ブドウの種から熱湯で抽出したポリフェノールが、試験管内でアミロイドベータ凝集・オリゴマー形成を阻害することが示されました。

このようにマウス実験とはいえポリフェノールによる認知症への効果は期待できそうです。

(出典)
Risk factors for Alzheimer’s disease: a prospective analysis from the Canadian Study of Health and Aging.
Alcohol intake and risk of dementia.
Potent anti-amyloidogenic and fibril-destabilizing effects of polyphenols in vitro: implications for the prevention and therapeutics of Alzheimer’s disease.
Moderate consumption of Cabernet Sauvignon attenuates Abeta neuropathology in a mouse model of Alzheimer’s disease.