<後編>必見!揚げ物やお肉ばかりの食生活が認知症発症リスクを高める

takahiro(ペンネーム)

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出典元:pixabay.com

前編では脂肪酸の種類を整理し、牛肉や豚肉にも含まれている不飽和脂肪酸が、動脈硬化や血栓形成を促進することなどにも触れ、疫学研究において認知症発症リスクが高いことを改めて紹介しました。後編ではさらに様々な研究が示す高脂肪食のリスクについて解説します。

地中海食パターンが認知症リスクを半減

実際の認知症患者と健康なグループとを比較した研究をみてみましょう。

アメリカ、コロンビア大学のLuchsinger JA氏が2006年に発表した論文では、米国におけるアルツハイマー病194名と健康高齢者1,790名の食生活を対比した症例対照研究では、果物・野菜・豆類・穀類・魚が豊富でオリーブオイルを多用する「地中海食」で認知症のリスクが半減することが示されました。

疫学研究からは、肉より魚と野菜中心でカロリー控えめな食生活がアルツハイマー病を予防するという調査結果が示されています。

脳血管性認知症の方は、血栓を予防して、いわゆるサラサラの血液にするEPAや納豆などを積極的に摂取することが、予防策として推奨されます。魚をたくさん食べるエスキモーは、脳梗塞や心筋梗塞を起こさないといいます。

なお、肉と魚では、含まれる不飽和脂肪酸に違いがあります。肉に多く含まれるn-6(ω-6)系多価不飽和脂肪酸の一つであるアラキドン酸は、脳の炎症や血栓形成を促進する物質の原料となります。一方、魚油に多く含まれるn-3(ω-3)系多価不飽和脂肪酸では、EPAが血栓を予防し、DHAが認知機能を改善します。

実験では高脂肪食がリスクを増大させることが明白に

動物実験では、次のようなことがわかっています。

アメリカニューヨークマウントサイナイ医科大のHo L氏が2004年に発表した論文では、マウスに高脂肪食(カロリーの60%が脂肪)を投与すると、インスリン(膵臓から分泌され血糖値を下げるホルモン)が働きにくくなり、血糖値が上昇して糖尿病の状態になります。このマウスの脳のアミロイドベータ沈着量を通常食事群と比べると、高脂肪食群では倍増し、水迷路実験で記憶学習能力が低下していました。高脂肪食ではアミロイドベータの産生が増加することが原因と推測されています。

アメリカUCLAのLim GP氏が2005年に発表した論文ではDHAの効果をマウスで調べています。高DHA食(0.6%含有)では、低DHA食(0%含有)に比べて、アミロイドベータ沈着量が4割減少していたという報告があります。

以上みてきたとおり、アルツハイマー病を防ぐには、脳動脈硬化の合併がアルツハイマー病の発症を促進することからも、肉より魚中心の食生活を送ることが推奨されます。

(出典)
Mediterranean diet, Alzheimer disease, and vascular mediation.
Diet-induced insulin resistance promotes amyloidosis in a transgenic mouse model of Alzheimer’s disease.
A diet enriched with the omega-3 fatty acid docosahexaenoic acid reduces amyloid burden in an aged Alzheimer mouse model.