オメガ3不飽和脂肪酸と認知症の関係〜魚が認知症予防に良い理由

佐藤洋平

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出典元:pixabay.com

nounowでは何度か魚が認知症予防に良いという記事を掲載してきましたが、アメリカでの魚の摂取とアルツハイマー病の関係に関する研究をご紹介します。

脳と魚と油のいろいろ

認知症の予防には魚が良いという話を聞きますが、これは果たしてどのような理由によるものなのでしょうか。

今回取り上げる論文は魚の摂取とオメガ3脂肪酸、認知症の予防効果について調べたものです。

研究ではアメリカはイリノイ州シカゴに住む65歳から94歳までの合計815人の住民を対象に食事のアンケート調査とアルツハイマー病の発症について追跡調査を行っています。

結果を述べると最低週1回以上魚を食べるとアルツハイマー病の発症率が60%低下すること、一般的に体に良い油脂成分として広告などでも見かけるオメガ3不飽和脂肪酸があるのですが、このオメガ3不飽和脂肪酸というのは、体に良いものとしては
・ドコサヘキサエン酸(DHA)
・エイコサペンタエン酸(EPA)
・α-リノレン酸
の3つがあり、
この内DHAだけが脳の中に取り込まれやすいこともあって、DHAをよく含む魚類の摂取がアルツハイマー病の発症予防に良い影響を与えているのではないかということが述べられています。

油といってもいろいろあるのだなあと思いました。

論文要旨

背景:
食事中のn-3多価不飽和脂肪酸は、動物実験において脳機能を改善するが、このタイプの脂肪がアルツハイマー病を予防するかどうかについての研究は限られている。

目的:
魚の摂取と、さまざまな種類のn-3脂肪酸の摂取がアルツハイマー病を予防するかどうかを調査する。

設計:
地理的に定義されたコミュニティからの層別ランダムサンプルの、1993年から2000年の間に行われた前向き研究。参加者は、アルツハイマー病の発症のために平均3.9年間追跡調査された。

患者:
65歳から94歳までの合計815人の住民が、アルツハイマー病の影響を最初に受けておらず、病気の臨床的評価の平均2.3年前に食事内容に関するアンケートを完了した。

主要な結果の措置:
アルツハイマー病の発症は、標準化された基準による構造的な神経学的検査で診断される。

結果:
合計131名のサンプル参加者がアルツハイマー病を発症した。 1週間に1回またはそれ以上の魚を摂取した参加者は、年齢およびその他のリスクを調整したモデルにおいて、魚をほとんどまたは全く食べなかった人々(相対リスク、0.4; 95%信頼区間、0.2-0.9)と比較して、アルツハイマー病のリスクが60%少なかった。ドコサヘキサエン酸(22:6n-3)の摂取と同様に、n-3多価不飽和脂肪酸の総摂取量はアルツハイマー病のリスク低下と関連していた。エイコサペンタエン酸(20:5n-3)はアルツハイマー病と関連していなかった。他の食物脂肪およびビタミンEの摂取および心臓血管の状態のための追加の調整が行われても、この関係性は変化しなかった.

結論:
n-3脂肪酸の食事摂取および毎週の魚の摂取は、アルツハイマー病の罹患リスクを低下させる可能性がある。

http://jamanetwork.com/jou…/jamaneurology/fullarticle/784412
Arch Neurol. 2003 Jul;60(7):940-6.
Consumption of fish and n-3 fatty acids and risk of incident Alzheimer disease.
Morris MC1, Evans DA, Bienias JL, Tangney CC, Bennett DA, Wilson RS, Aggarwal N, Schneider J.
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コンテンツ提供:脳科学リハビリテーション