メープルシロップによるアルツハイマー病の予防効果

大塚真紀

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メープルシロップに含まれるポリフェノールにアルツハイマー病の予防効果がある可能性を発表した論文をご紹介します。

メープルシロップとは

メープルシロップは、ホットケーキや牛乳、紅茶などに入れて楽しむことができる天然の甘味料です。カエデの樹液を煮詰めて作るので、100%天然であり体にもよい効果があるといわれています。カナダ産のメープルシロップが有名で、日本のスーパーなどでも手に入れることができます。

メープルシロップには、カルシウムやマグネシウム、亜鉛やカリウムなどのミネラル成分を多く含みます。一般的な甘味料に比べると、カロリーも低いです。また、ビタミンやアミノ酸、ポリフェノールなども含まれており、それらの成分による健康効果を期待できるといわれています。

ハチミツはボツリヌス中毒を引き起こす可能性があるので新生児に与えてはいけないことになっていますが、メープルシロップは煮詰める過程で殺菌され、自然食品なので新生児でも安心して口にすることができます。

メープルシロップによる健康効果

メープルシロップには、ビタミンやミネラル、ポリフェノールなどが含まれているので、それらの成分による健康効果を期待することができます。今までの研究報告では、肥満抑制効果、肝臓の保護効果、炎症を抑制する効果、糖尿病の進行を抑制する効果などが明らかになっています。

メープルシロップに含まれるポリフェノールには、抗酸化作用といって体内に過剰に発生した有害な活性酸素を除去する効果があります。有害な活性酸素は、動脈硬化や生活習慣病、がんなどの原因になるといわれています。また、アルツハイマー病の発症にも関与していると考えられています。

メープルシロップによるアルツハイマー病予防効果

アメリカの研究チームは、天然のメープルシロップにはアルツハイマー病を予防する効果があることを2016年11月に「Neurochemical Research」誌に発表しました。

研究チームは、細胞を使用して、アルツハイマー病の原因となるようなタンパク質が神経細胞内で凝集、蓄積することをメープルシロップが抑制することを発見しました。また、メープルシロップは神経細胞において酸化ストレスや炎症を抑えることがわかりました。他の研究でも、動物の脳細胞において天然のメープルシロップによる神経保護効果が報告されており、アルツハイマー病の予防になるのではないかと期待されています。

研究チームは、メープルシロップに含まれるフェルラ酸という成分が脳の神経保護のためによいのではないかと推測しています。フェルラ酸はポリフェノールの一種で、体内に発生した有害な活性酸素を除去する抗酸化作用があるといわれています。アルツハイマー病の発症、進行に活性酸素が関わることが指摘されているため、メープルシロップに含まれるフェルラ酸が有効であった可能性があります。以前にnounowで紹介した認知症予防効果を期待できる米ぬかにもフェルラ酸が含まれていることがわかっています(意外にも、日本人にとって身近な「米ぬか」が認知症予防に効果的である可能性)。
今回の研究は細胞を対象としているため、今後ヒトを対象とした大規模な研究が行われることが期待されます。

<参考論文・参考資料>
https://www.pure-maple.com/research/
Neurochem Res. 2016 Nov;41(11):2836-2847. Epub 2016 Jul 14.
Effects of a Standardized Phenolic-Enriched Maple Syrup Extract on β-Amyloid Aggregation, Neuroinflammation in Microglial and Neuronal Cells, and β-Amyloid Induced Neurotoxicity in Caenorhabditis elegans.
Ma H, DaSilva NA, Liu W, Nahar PP, Wei Z, Liu Y, Pham PT, Crews R, Vattem DA, Slitt AL, Shaikh ZA, Seeram NP.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27418278