キノコを食べよう!キノコの認知症予防効果

大塚真紀

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きのこの摂取量と認知症発症リスクについて日本の研究チームが発表した論文をご紹介します。

キノコの健康効果

日本人にとってなじみ深いキノコですが、体や脳に良い効果があることはご存知でしょうか。キノコはカロリーが低く、食物繊維が豊富なのでダイエット中の女性や体重を気にする男性にとって良い食材です。

また、ビタミンやミネラルも豊富で美容にも良いですし、育ち盛りの子どもにも適しています。具体的にはビタミンB1、B2、ナイアシンなどが含まれていて代謝を促進します。ビタミンB1には、疲労回復効果も期待できます。ビタミンDも含まれており、筋肉の増強効果があるだけでなく、カルシウムの吸収を促すので骨も強くなります。

βグルカンとよばれる多糖類を豊富に含むので、免疫力を高め抗がん効果も期待できるそうです。βグルカンには、ウィルスに抵抗する力もあるといわれています。脳の老化予防効果が期待できるグルタミン酸も含まれているため、認知症の予防にも良いのではないかと考えられています。また、キノコに含まれるギャバという成分には気持ちを落ち着かせる効果を期待できます。

このように、キノコには多くの健康効果を期待できるようです。ただし、キノコの種類によって含まれる成分の組成が異なります。

キノコをよく食べている人は認知症を発症しづらい

今までさまざまな研究で、キノコの認知症予防効果や脳神経の保護効果などが明らかにされていましたが、多くのヒトを対象としたものはありませんでした。日本の研究チームは、65歳以上の高齢者13230人を対象とした研究でキノコの摂取量が多い人は認知症の発症リスクが低くなることを2017年3月に「Journal of the American Geriatrics Society」誌に発表しました。

研究チームは、対象となった人をキノコの摂取量で3つのグループにわけました。キノコを週に1回未満食べているグループ、週に1-2回食べているグループ、週に3回以上食べているグループです。キノコの摂取量が認知症発症に関与するか明らかにするために、認知症発症に影響を与える可能性がある性別、年齢、肥満、糖尿病、高血圧、喫煙、飲酒、歩行時間、ストレスなどの因子を調整し解析しました。

研究期間は5.7年で、認知症は8.7%の人に発症しました。キノコの摂取頻度が週に1回未満のグループに比べて、週に1-2回または3回以上のグループにおいて認知症発症リスクが低下することがわかりました。また、キノコの摂取量が多いほどより認知症発症リスクが低下することが明らかになりました。

しかし、今回の研究の限界としてキノコの摂取頻度を研究開始時にしか調査できていない点、キノコの種類が不明な点などが挙げられています。つまり、研究開始時に多く食べていても研究開始後にキノコの摂取量が減っていても考慮できないということです。また、キノコの種類によって認知症予防効果のある成分の含まれる量が異なるので、可能であればキノコの種類まで明らかにできたら面白かったといえます。

今回の研究では、日本人を対象として調査が行われ、キノコをよく食べると認知症予防効果があることが初めてわかったので貴重な報告といえるでしょう。

健康維持や認知症予防に効果的なキノコの食べ方

キノコとひとことでいっても、まいたけ、えのき、しめじ、なめこ、エリンギ、マッシュルーム、まつたけなどさまざまな種類があります。マツタケは独特な良い香りが特徴的ですが、他のものは匂いがほとんどありません。つまり、くせがないのでスープ、鍋、煮物、炒めもの、和え物、炊き込みご飯などどんな料理でも活用しやすいといえます。

生ものは鮮度が落ちやすいので、干しシイタケのような乾燥させたものを活用してもよいですし、適当な大きさにカットしてから冷凍保存してもよいかもしれません。

健康な体と脳のために、1日1種類キノコを取り入れるようにしてみてはいかがでしょうか。

<参照サイト・参考論文>
J Am Geriatr Soc. 2017 Jul;65(7):1462-1469. doi: 10.1111/jgs.14812. Epub 2017 Mar 13.
Mushroom Consumption and Incident Dementia in Elderly Japanese: The Ohsaki Cohort 2006 Study.
Zhang S, Tomata Y, Sugiyama K, Sugawara Y, Tsuji I.