スマホ依存が脳に及ぼす影響〜我々が失いつつあるものとは?

nounow編集部

スマホ依存(イメージ)
出典元:pixabay.com

ポケモンGO、少しブームは落ち着きついてきていますが相変わらず熱中している人、多いですね。歩くことによる健康効果や自閉症の子供への好影響なども話題になっていますが、さらに我々のスマホ依存は進みそうです。実はこのスマホ依存、脳にも影響を及ぼすことが分かってきています。

7割の人が自覚しているスマホ依存

MMD研究所がスマホの利用に関するアンケートを実施しました。調査の結果、スマホ利用者の7割に「スマホに依存している」という自覚が見られました。

また、スマホの1日における平均利用時間は、全体で2~3時間だったのに対して、スマホ依存を自覚している人では、「7時間以上」と「5時間」がそれぞれ2割を超えるという結果でした。

ポケモンGOがスタートし、利用時間が大幅に増えたという人も多いのではないでしょうか?ますます我々のスマホ依存は進みそうです。

研究で分かったスマホ依存がもたらす脳への影響

スマホで便利なのがマルチタスク機能です。メールのチェックや情報収集のチェックだけでなく、SNSを見たり、動画を見たりと大忙しの人も多いのではないでしょうか。

イギリスで行われた研究により、スマホの画面でアプリを頻繁に変えている人は、そうでない人に比べて、脳の灰白質(かいはくしつ)という部分が少なくなっていたそうです。灰白質は、脳の神経組織のうち、神経細胞の細胞が集まっている場所です。この部分が少なくなると、事物の認識や感情をコントロールする力が低下したり、うつ傾向になるという指摘もされています。

スマホ依存は集中力も低下させる

スマホのマルチタスクで主に行われるのが、テキストを読む行為です。実は、人間の脳はテキストを読むときには、「浅い読み」と「深い読み」を使い分けているとされています。例えば、看板などの広告で目に入る文字を読むのは、「浅い読み」。「浅い読み」は受動的な行為であり、無意識にテキストが頭に入るものの、記憶には残らないとされています。

スマホで読むテキストには、この「浅い読み」が大部分を占めているといわれています。「浅い読み」ばかりに脳を使うと、集中力が下がる原因となることが指摘されています。

おそらくスマホに依存することで集中力が低下したことを自覚している人は多いと思われます。一方で大量のテキストを浅く「斜め読み」することのメリットもありますし、そこに圧倒的な利便性がある以上、我々はもはや後戻りはできないでしょう。

「ネットバカ」

ニコラスGカー著「ネットバカ」はスマホが本格的に普及する前に書かれた本ですが、ネットに依存している我々がいくつかの知的能力を失いつつある現状について考察しています。

我々は複雑な作業に最初から最後まで集中する能力を失うかもしれないが その埋め合わせとして新しいスキルを、例えば「6種類のメディア上で同時に34個の会話を交わす」能力を手に入れることだろう。

アトランティック誌のある記事は「テクノロジーを原因とする注意欠陥障害」はおそらく「情報のフローが限定的なものであった時代に進化し完成した認知習慣」に頼っているせいで生じる一時的な問題ではないか、と記す。新たな認知習慣を作り出すことこそが「常時接続の時代をナビゲートするための唯一実行可能なアプローチ」だとその記事は言う(ニコラスGカー著「ネットバカ」)

マクルーハンが予言した通り 我々は知性の歴史・文化の歴史における重要な接合点に、全く異なる2つの思考モード間の移行の瞬間に、到達したように思われる。

ネットの豊かさと引き換えに我々が手放したものは、かつての直線的思考プロセスである。冷静で集中しており気をそらされたりしない直線的思考プロセスは脇へ押しやられ、代わりに中心に踊り出たのは断片化された短い情報を順にではなくしばしば重なり合うような形で 突発的爆発のようにして受け止め、分配しようとする新たな種類の精神である(ニコラスGカー著「ネットバカ」)

そしてエピローグには

我々は何を失いそうになっているかに注意を払う義務がある(ニコラスGカー著「ネットバカ」)

とあります。

ネット依存・スマホ依存によって我々は新たな認知習慣を作りだしていくでしょう。そしてそれ自体否定されるべきものではありません。しかしその時、我々が失うものが何で、失わずにすむ方法は何かについて考えていくべきかもしれません。

参考URL:
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1605/20/news147.html
http://diamond.jp/articles/-/87340

引用:ニコラスGカー著「ネット・バカ」