どんなストレスがうつにつながるのか?人生後期に起こる様々な出来事に要注意

佐藤洋平

うつを誘発するストレッサ―とは(イメージ)
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認知症のリスクを増やすことになる、うつ症状。人生後期に否応なく遭遇することになる様々な出来事が重なるとうつにつながるようです。

「うつ」は有力な認知症リスクファクターの一つ

認知症の原因になるものはいろいろとあるのですが喫煙、高脂血症、高血圧などと並んで有力なものにうつ症状というものがあります。

とりわけ年をとってからのうつ症状は認知症リスクを高めることが知られており、今回取り上げた研究からは約2倍程度まで認知症リスクを高めることが報告されています。なぜ人は人生一安堵、山谷越えた人生後期になってうつ病になってしまうのでしょうか?

人生後半に起こる様々なイベントがうつにつながりやすい

下記の図は人生で振りかかる様々なストレスを点数化し順位付けしたものですが、これらの点数が一定の基準を超えるとうつ病を含む何らかの疾患を引き起こすことがあるようです。

ストレス
(引用)「出来事のストレス評価」夏目誠(大阪樟蔭女子大学大学院人間科学研究科)

ざっとこの表を上から見てみると

  • 「配偶者の死」
  • 「親族の死」
  • 「自分の病気・怪我」
  • 「友人の死」
  • 「収入の減少」
  • 「性的問題・障害」
  • 「退職」
  • など人生後期になってから遭遇しうるイベントの数が多く、一見退職して安穏と見える人生後期の生活というのは案外ストレス負荷が高いイベントが数多く待ち受けていて、それ故に人生後期でうつ症状が発症するということもあるのかなと思いました。

    【要旨】

    背景)人生後期のうつ症状は認知症発症のリスクを高める可能性がある。

    目的)過去に行われた大規模研究のデータを元にメタアナリシスを行い,人生後期のうつ症状と認知症,脳血管性認知症,アルツハイマー型認知症との関連性を探る。

    方法)23の前向きコホート研究を対象にメタアナリシスを行なった。

    結果)人生後期のうつ症状は認知症の発症リスクを高め,アルツハイマー型認知症,脳血管性認知症のリスクを高めた.5つの研究に基づくサブグループの解析からは脳血管性認知症の発症リスクに与える影響がアルツハイマー型認知症よりも高かった。

    結論)人生後期のうつ症状は認知症の発症リスクを高めることが示された。

    http://bjp.rcpsych.org/content/202/5/329
    Br J Psychiatry. 2013 May;202(5):329-35. doi: 10.1192/bjp.bp.112.118307.
    Late-life depression and risk of vascular dementia and Alzheimer’s disease: systematic review and meta-analysis of community-based cohort studies.
    Diniz BS1, Butters MA, Albert SM, Dew MA, Reynolds CF 3rd.
    Author information

    (出典)脳科学リハビリテーション