サプライズの効果を裏付ける脳科学

佐藤洋平

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出典元:pixabay.com

バレンタインが近くなってきましたが、脳科学的にはサプライズ的にチョコを渡す方が、相手の脳の報酬系をより活性化するようです。

靴箱のチョコと報酬系

気がついたらだいぶ歳がいっている世代になってしまったのですが、私が若い頃、昭和の匂いがまだ濃厚に残る時代は友チョコなどと言う言葉はなく、バレンタインのチョコはもっと特別な意味を持ったものだったと思います。

今年こそ何かサプライズがあるのではないかと思いつつ、バレンタイン当日の朝はまさかないよねと思いつつ机の中をそっと探り、やっぱりないよねと下校時に靴箱を覗いて。予定調和的にやはりサプライズはないがっかり感を何度も繰り返したことを覚えています。

それはさておきバレンタインや誕生日に見られるこのサプライズですが、はたしてプレゼントを渡す時はタイミングと内容のどちらに注力すればより相手を喜ばすことができるのでしょうか。

今日取り上げる論文は、好きなものを貰うタイミングが脳の中の喜び反応にどのように影響を与えるかについて調べたものです。

実験では被験者は水かジュースかを定期的なタイミングでチュッと口に流し込まれたり、あるいは全くランダムなタイミングでチュッと口に流し込まれたりするのですが、この時の脳活動について機能的MRIを使って調べています。

結果を述べると、好きな飲物(水もしくはジュース)が流し込まれただけでは脳の中の喜び反応を司る側坐核や内側前頭眼窩野の活動は特に高くならないのですが、予測不可能性を加えることで、これらの喜び反応が高くなることが示されています。

つまり好きなものはただもらっただけでは喜び反応は強くならないけど、好きなものをサプライズ的なタイミングで貰うと喜び反応が強くなるということで、相手を喜ばせるためには内容とタイミングの両方が大事なのかなと思いました。

論文要旨

食べ物や薬物のようなある種の物質は報酬系を活性化する上で非常に効果的であることが知られている。

今回の研究では、ジュースもしくは水を口に含ませるという快刺激が予測可能性によって調整されることを示す。

機能的MRIを用いた実験では、報酬に対しての側坐核と前頭眼窩野の活動は、報酬の予測が不可能であった条件で最も高い値を示した。

さらにジュースもしくは水といった被験者の選好性は報酬系の活動に直接相関せず、感覚運動皮質の活動とのみ相関を示した。

これらの結果から快刺激に関しては予測可能性が報酬系の活動を調整し、主観的な選好性はこの反応からは分離していることが考えられた。

http://www.jneurosci.org/content/21/8/2793.full
J Neurosci. 2001 Apr 15;21(8):2793-8.
Predictability modulates human brain response to reward.
Berns GS1, McClure SM, Pagnoni G, Montague PR.
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コンテンツ提供:脳科学リハビリテーション