砂糖は脳にとって特別なのか

佐藤洋平

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出典元:pixabay.com

甘いものへの誘惑はなかなか断ちがたいものがあります。砂糖が他の味覚刺激と比べて脳活動にどのような影響を与えるかを実験した研究をご紹介します。

砂糖は脳の報酬系を強く賦活する

不思議なことに酒をやめてから甘いものが無性に好きになってしまったのですが、甘いもの、とりわけ砂糖というのは脳にとって特別な何かなのでしょうか。

今日取り上げる論文は、砂糖が他の味覚刺激と較べてどう違うか空腹状態と満腹状態で比べたものです。

この実験では純粋に味覚だけを調べるために匂いの含まない砂糖や人工甘味料、カフェイン(苦味)、酸味など様々な味覚誘発液を含ませた時の脳活動を空腹時と満腹時で機能的MRIを使って調べています。

結果を述べると

①味覚刺激は,島皮質や前頭眼窩野など情動に関係する領域を強く賦活する
②その傾向は空腹時に顕著である
③砂糖は人工甘味料と比べても,脳の報酬系全体を強く賦活する

ということが示されています。

この実験では脳の反応だけでなく、どれ位の強さの刺激を感じたかという主観的な判断の評価もさせているのですが、
砂糖と人工甘味料では、甘さの強度そのものには主観的には大きな違いがないのに、砂糖のほうが脳の報酬系を強く賦活するようです。

砂糖というのはやはり脳にとって特別なのかなと思いました。

論文要旨

この事象関連の機能的磁気共鳴イメージング(er-fMRI)研究は、被験者が空腹の状態で栄養予備負荷をかけられたときに,刺激の質が変化する一連の純粋な味覚刺激に応答するBOLD信号の変化を調べた。

グループ解析では、視床、海馬および海馬海綿体内のスクロース、カフェイン、サッカリンおよびクエン酸に応答して、空腹状態から満腹状態への活性化に有意差を示した。

空腹状態および満腹状態を調べると、活性化は刺激の関数として変化し、大部分の刺激は、摂食状態の摂食状態の低下とは対照的に、鼻孔、視床および黒質内の空腹状態で有意に大きな活性化を示した海馬、海馬、扁桃体、および前部帯状体を含んでいた。

関心領域(ROI)分析は、刺激による生理学による生理学およびROIによる2つの有意な相互作用、ROIを明らかにした。

満腹状態では、すべての刺激に対して、摂食行動(視床下部)、味覚(扁桃体)、摂食行動(摂食行動)の処理に関与する領域よりも、一時味覚領域(島皮質)および二次味覚領域(OFC 11 と OFC 47)で活動増加を示した。

これらの同じ領域は,前部島皮質を除いて、満腹状態よりも空腹状態において有意に大きな活性化を示した。

さらに、活性化のパターンは、他の刺激よりもスクロースに応答してより大きな活性化を伴っていた。

これらの活性化の異なるパターンは、異なる純粋な味覚刺激に応答して、複数の脳領域においてっ空腹および満腹の生理学的状態によって活性化を生じることを示唆している。

Neuroimage. 2009 Feb 1;44(3):1008-21. doi: 10.1016/j.neuroimage.2008.09.044. Epub 2008 Oct 15.
Cortical activation in response to pure taste stimuli during the physiological states of hunger and satiety.
Haase L1, Cerf-Ducastel B, Murphy C.
コンテンツ提供:脳科学リハビリテーション