買い物依存症患者の脳活動

佐藤洋平

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買い物せずにはいられない買い物依存症患者の脳活動に関する研究をご紹介します。

買い物依存症患者の脳活動

世の中には買い物依存症という言葉があるようで、これは借金があろうとなんだろうと、欲しいものがあると買わずにはいられないという症状を言うようです。

こういった行動をとりがちな人の脳というのは果たしてどんなものなのでしょうか。

今回取り上げる論文は、買い物依存症患者の脳活動について機能的MRIを用いてその特徴を調べたものです。

実験では買い物依存症患者26名と健常者23名(いずれも全員女性)を対象に、アクセサリーや食べ物などの商品を見せてその価値付けを行い、購入するかどうかを決めさせます(実験終了時に一部の商品を実際に貰うことができる約束で実験に参加しています)。

一般に何かを買うか買わないかを決めるときには、

1.対象の認知(高級かき氷)
2.対象と価値の比較(値段に見合うだけの価値があるかを検討)
3.購入の決定

という流れがあると思うのですが、筆者らは仮説として

1.対象の認知(高級かき氷)
では興奮に関わる腹側線条体の活動増加

2.対象と価値の比較(値段に見合うだけの価値があるかを検討)
では認知と情動を照らし合わせる役割がある島皮質の活動低下

3.購入の決定
では正常な意思決定に関わる腹内側前頭前野の活動低下

が買い物依存症患者で起こっているという仮設を立てて検証しています。

結果を述べると3以外は概ね仮説を支持する結果となったことが示されており、買い物依存症患者の脳では健常者とは脳活動の有意差があったとのことです。

論文要旨

本稿では、買い物依存症患者の神経相関の研究について説明を行う。

実験では購入決定を実行している時に、機能的磁気共鳴画像法を用いて、26人の正常者および23人の買い物依存症患者の脳活動を測定した。

買い物依存症患者は厳格な基準に基づいて選択され、購入行動のためにすべてが精神療法治療を受けているものとした。

結果から健常者と買い物依存症患者の間で意思決定に関与する領域において活動の有意差があることが示された。

この結果は、買い物依存症患者の性質についてのより深い洞察を提供し、消費者政策に寄与するものであると思われる。

A Neurological Study of Compulsive Buying Behaviour.
Source: Journal of Consumer Policy . Dec2011, Vol. 34 Issue 4, p401-413. 13p. 1 Diagram, 1 Chart, 3 Graphs.
Author(s): Raab, Gerhard; Elger, Christian; Neuner, Michael; Weber, Bernd

コンテンツ提供:脳科学リハビリテーション