79歳でも新しい神経細胞は生まれる〜続く”神経新生論争” 

nounow編集部

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先月、人間の脳の神経細胞が増える「神経新生」は13歳以降は起きないとする、これまでの定説を覆す論文が発表され世界に衝撃を与えましたが、今度はまた逆の研究結果が発表されました。

先月とは真逆の研究結果

5日米国研究チームが、人の脳では79歳になって新しい神経細胞が生まれる可能性があるとする研究結果を発表しました。

先月、英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された論文によると、海馬での神経新生は、出生後数年のうちに急速に低下し、13歳には停止するとしていました。

13歳で神経新生は止まる?

胎児から成人までの、59のヒトの海馬標本を用いて解析した結果、出生後早い時期には神経新生が起こり新たなニューロンの産生があるが、海馬での神経新生は、出生後数年の幼児期のうちに急速に低下し、13歳には停止することが明らかになりました。
成人では新しいニューロンの産生を検出することはできなかったとのことです。

今回、米ニューヨーク・コロンビア大学(Columbia University)の研究チームが米科学誌セル・ステムセル(Cell Stem Cell)に発表した研究結果は、全く逆です。

研究チームは、14歳~79歳の28人の死亡直後の脳の解剖サンプルにおいて、海馬全体で神経細胞と血管の状態を調べました。すると海馬において未成熟の神経細胞が数多く見つかり、79歳の人にもそれは見られたとのことです。

論文の主要執筆者であるマウラ・ボルドリーニ(Maura Boldrini)准教授は、「高齢の人にも多数の新しい神経細胞を前駆細胞から生成する能力があることが分かった」としています。

一方、神経細胞に栄養を運ぶ血管は年齢が高いほど少なく、神経細胞が成熟しにくい状態だったとしています。

この結果は、高齢者でも認知機能を維持できる可能性を示しており、認知症の治療や予防につながる研究として注目されそうです。

この「神経新生論争」、まだ続きそうで、nounowでは続報していきます。