Lumosity、虚偽広告で約2億円の和解金をFTCに支払うことで合意

nounow編集部

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出典元:pixabay.com

脳トレゲームのLumosity が、FTC(米連邦取引委員会)に虚偽広告の和解金を支払うという件。どこに問題があったのでしょうか。脳トレゲームはゲームの習熟度はあがってもそれがイコール認知機能向上とはいえないという指摘も。

業界衝撃!虚偽広告に対する和解金

新年早々、脳トレゲームのLumosityを提供するLumos Labs社が虚偽広告を告発され、FTC(米連邦取引委員会)に和解金200万ドルを支払うことに同意した、というニュースが流れました。

FTCの発表には、以下のように記載されています。

ユーザーの加齢による認知力低下に対する不安を利用して、Lumosityをすることで記憶力を維持し認知症やアルツハイマー病を回避できると、ユーザーを欺いた。それらを証明できる科学的根拠を持ち合わせていなかったのだ。

(引用)https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2016/01/lumosity-pay-2-million-settle-ftc-deceptive-advertising-charges 


Lumosityは2014年12月に日本にも上陸し大々的に宣伝をしてユーザーを増やしてきていました。日本上陸段階では「全世界でユーザー6,000万人」とも言われていましたが、事業拡大を図る中、大きな痛手となりました。

FTC(米連邦取引委員会)のあるワシントン(イメージ)Photo by pixabay

大々的に認知症予防などの効果を宣伝

FTCの告訴状によると、Lumosityは

  • 学校や職場やスポーツなどあらゆる生活面でのパフォーマンスの向上
  • 軽度認知障害やアルツハイマー病などの認知症を予防する
  • 脳卒中、外傷性脳損傷、PTSD、ADHD、化学療法の副作用およびターナー症候群などの認知障害を軽減する

と主張していました。

その大々的な宣伝は、CNN、フォックスニュース、ヒストリーチャンネル、ナショナル・パブリック・ラジオ、パンドラ、シリウスXM、Spotifyなどのテレビやラジオのネットワークに広く露出してきたとのことです。また、電子メール、ブログの投稿、ソーシャルメディアを通じウェブサイト(Lumosity.com)上で購入を推奨し、「記憶」、「認知」、「認知症」、および「アルツハイマー病」に関連するキーワード数百を購入するなどGoogleアドワーズを使用してきたとのことです。

メディアのインタビューでLumos Labs社は「マーケティング上の表現の問題だ」とコメントを残しています。確かに今回の件の本質は広告の誇大表現にあるといえるでしょう。

当初から、科学的根拠に対する不信も

一方でLumosityが保有していた科学的根拠に対し、かねてより脳科学者からの批判がありました。

ゲームのスコアが上がってもそれはゲームに習熟したにすぎず、認知能力の向上を意味するわけではない

例えば記憶力のゲームのスコアが向上し、日常生活における記憶力も向上すれば「転移」があったとされます。多くの脳科学者が、大半の脳トレゲームがこの「転移」に関する科学的根拠が十分でないと批判しています。広告表現上、ゲームの効果としてどこまでを主張できるのか線を引き、消費者を欺くことにならないよう配慮することが求められます。

脳トレゲーム業界のリーディングカンパニーであるLumos Labs社の今回の件は、業界全体にとっても打撃となりました。

一方で一罰百戒で各社のマーケティングに自浄効果が生じ、業界全体が健全に成長していく良い機会になるかもしれません。


(出典)https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2016/01/lumosity-pay-2-million-settle-ftc-deceptive-advertising-charges