脳トレゲームを医者が処方する時代?

nounow編集部

医者が処方するようになるゲーム(イメージ)

早ければ2017年末にもFDAに承認をうける脳トレゲームがでてきそうです。脳トレゲームが臨床ツールとして再定義される時代がくるのでしようか?

脳トレゲームでADHDの治療?

脳トレゲームでADHD(注意欠陥多動性障害)、自閉症、うつ、認知症などを診断・治療できるようになるかもしれません。

btrax社「2016年テクノロジートレンド10選」によると、

「北米のAkili社はProject Evoとして知られるゲームを開発中で、すでにADHD、自閉症、うつなどの病状に対して8つの臨床試験をおえている。またPositscience 社もFDAに承認をうける臨床試験の準備を進めているようで最初の臨床結果はAkili社同様に上々だそうだ」

「今後医者はADHD患者にFDA承認されたビデオゲームを処方するようになる」

(引用)blog.btrax.com/jp/2016/01/06/10-tech-trend/

大手製薬会社のファイザー社がアルツハイマー病診断の改善を目的としてProject Evoのパートナーになっていると聞くと、上記の話も信憑性を増してきます。

「アルツハイマー病の診断」からスタート

2014年1月には、ファイザー社とAkili社のプレスリリースがでていました。

Akili社とファイザー社はProject Evoのアルツハイマー病の診断能力をテストすることで合意した。
(引用)http://www.prnewswire.com/news-releases/akili-interactive-labs-announces-partnership-with-pfizer-to-test-video-game-in-people-at-risk-of-alzheimers-disease-239412291.html

Project Evoは、プレイヤーが所持するモンスターを使いプレイヤー同士の戦いでモンスターをレベルアップしてステージが進んでいく、iPhone/iPad向けバトルゲームです。

2014年のリリース段階ではアルツハイマー病の兆候の発見に注力するとされており、今後ADHD、自閉症、うつなどにも広げていくというニュアンスでしたが、その後ADHD の治療ゲームとしての開発・臨床試験が先に進みFDAの承認をうける臨床試験段階に進んできているようです。

「ADHD→自閉症→うつ→アルツハイマー」の順に

そして今年1月には資金調達のニュースが。

認知症向けのビデオゲームを開発したマサチューセッツ州ボストンを本拠とするAkili Interactive Labsは、PureTech Healthが主導するラウンドで3,050万ドルを調達した。この案件にはJazz Venture PartnersとCanepa Advanced Healthcare Fundも参加した。

これにより、同社が調達した金額は少なくとも3,900万ドルとなる。さらに同社は政府からの補助金及びパートナーシップからの資金として500~600万ドルを獲得している。

(引用)http://mobihealthnews.com/content/akili-interactive-labs-raises-305m-cognitive-video-game-intervention (mobihealthnews)

Akili社CEOのMartucci氏によると

FDAが確認したことは「ADHDに関するもう1つの研究~より大規模なコントロールされたランダム化比較試験~を我々が行うことができればFDAの承認をうけ市場にだすのに十分」ということで、すでにその研究には着手しており2017年末には承認をうけ市場に商品をだせる

とのことです。

またAkili社はADHD、自閉症、アルツハイマー病、うつを含むいくつかのコンディション別にゲームをテストしてきたのですが、前述のとおり最初にFDAの承認を得るべく動いているのはADHD向けで、その後自閉症向け、次にうつ向け、それからアルツハイマー病向けが続くであろうとのこと。

FDA承認された脳トレゲームを医者が処方する?

今年1月、脳トレゲーム大手のLumos Labs社が科学的根拠のない広告表現で告発され、FTCに和解金を支払うことに合意した問題がありました。広告表現上「何らかの症状を改善する」と言い切るのであれば 科学的根拠が必要なのは当然です。

FDAの承認をとるという王道アプローチでそれをクリアしようとしている脳トレゲーム会社がでてきていることは業界にとって朗報といえるでしょう。

もっとも仮にFDAの承認をえても、臨床の場で使われるようになるにはゲームのデリバリー方法や医者・患者の認識含め様々な壁が待っていそうです。実際Martucci氏も、そのあたりを深く理解し最適な方法を模索するトライに、調達した資金の多くを投じるとのことです。

認知症、ADHD、自閉症、うつなどの臨床の場に脳トレゲームが活用されるようになるにはまだ数年はかかるでしょう。日本では、、さらに先になりそうではあります。しかし薬でない新たな有効な選択肢ができることは何より患者にとって喜ばしく、画期的なことです。

Akili社がFDA承認を無事うけることができるか、世界が注目しています。

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